号泣会見の〝真相〟を明かしたピン子(左)は、村田と抱き合って朗読劇をPR=東京・西五反田 女優、泉ピン子(74)が8月から初の朗読劇「泉ピン子の『すぐ死ぬんだから』」を各地で上演することになり3月中旬、東京都内で共演の俳優、村田雄浩(62)と会見した。夫の死後に発覚した愛人と隠し子をめぐる人情喜劇。実は自らの人生とダブる部分も多く、27年前の夫の愛人騒動をめぐる号泣会見を振り返り「あれは演技だった。(本当は)離婚したかった」と真相を初告白した。
ピン子の人生と重なる朗読劇が誕生する。
78歳の主人公、ハナ(ピン子)は「どうせ、すぐ死ぬんだから」の口癖とは対照的に、バイタリティーあふれる幸せ者。ところがある日、夫が急死、遺言書を開くと愛人と隠し子の存在が書かれてあった。村田が夫と愛人役を兼ねるなど、2人だけの出演で複数の役を掛け持ち。毒舌全開、抱腹絶倒、そして涙…の意外な展開となる。
ピン子自身、1995年、4歳下の医師で夫に愛人・隠し子騒動が発覚した経験の持ち主。その際の会見では「悲しいけど、許しています」と涙ながらに夫を許したのに、一部から「イメージアップ作戦では」と逆に猛烈な批判を浴びた。
結婚7年目の夫の浮気と思わぬ火の粉を浴びた当時を振り返り「本当は泣きたくなかったし、私は離婚したかった。泣いたのは演技だった」と真顔で初告白。実は、尊敬する脚本家、橋田壽賀子さん(昨年4月4日死去、享年95)から「離婚したら、あんたは一生、愛人に夫を取られたといわれる。別れるな。号泣しろ」と助言され従ったのが真相という。
「ところが、バッシングでしょ。あたし、怒ったわよ、橋田さんに…」と毒舌全開。夫は騒動後、愛人との子供を認知したが、ピン子は今も夫と静岡・熱海市で暮らし、今年で結婚丸32年になる。橋田さんからも後年「『よく持った。いい夫婦になった』と言われました」と明かすことも忘れなかったが、愛人には「死んでも皿1枚やりたくない」と譲れない一線も明かした。
ちなみに、今回の台本を今も東京・銀座で医師として働く夫に読ませたところ、「『面白い本だね』…だって。内心『お前が言うか』って思ったわよ」と毒舌はノンストップ。橋田さんのドラマ「渡る世間は鬼ばかり」などで共演し気心の知れた村田も報道陣も仰天、苦笑するばかりだったが、ピン子は「いやなことは忘れるのが大事。だから前向きに生きられるのよ」と終始どこ吹く風の毒演会だった。
◆内館牧子さんのベストセラーが原作 この朗読劇の原作は橋田さんのまな弟子で作家、内館牧子さん(73)のベストセラー小説「すぐ死ぬんだから」。内館さんはピン子がハナを演じることについて「橋田先生はピン子さんを信頼していました。きっと大喜びされていると思います」とコメントを寄せた。上演台本と演出は笹部博司氏、作曲は「マツケンサンバⅡ」などで知られる作曲家、宮川彬良氏。公演日程は別表の通り。
朗読会「泉ピン子の『すぐ死ぬんだから』」