舞台ビジュアルも公開。内野(手前)はメークに3時間かけて〝女優〟になった岡本に落とされそう⁉ 俳優、内野聖陽(53)が6月24日に東京・渋谷区の新国立劇場で開幕する舞台「M.バタフライ」に主演することが9日、分かった。1960年代に中国で起きた事件を基にオペラ「蝶々夫人」の要素を取り入れ、30カ国以上で上演された世界的戯曲。スター女優に扮した男性諜報員に恋する駐在フランス人外交官を演じ、「お客さまを幻想の世界に誘えたら」と腕をぶす。初共演の元Hey!Say!JUMP・岡本圭人(28)が諜報員を演じる。
俳優デビュー30年目を迎えた内野が、節目の年を世界的名作で飾る。
「M.バタフライ」は米ブロードウェーで初演された1988年に、米演劇界最高の栄誉であるトニー賞の最優秀演劇賞を受賞。その後は30カ国以上で上演され、日本では90年の劇団四季以来32年ぶりの上演となる。
物語は米劇作家、デイヴィット・ヘンリー・ファン(64)が、文化大革命前夜だった1960年代の中国・北京で実際に起きた事件に着想を得たオリジナル。フランス人外交官のガリマール(内野)が社交場で「蝶々夫人」を披露した京劇の人気女優、ソン(岡本)との20年にわたる愛に溺れるが、相手は性別を偽っていた毛沢東の中国人スパイで、国家機密情報を漏らしてしまう。
米海軍士官に裏切られた日本人女性が自殺する「蝶々夫人」とは一転、今作では男性側が虐げられる。重厚な物語を描くべく、徹底した役作りと圧倒的な存在感を持つ内野が座長に指名された。
昨年に紫綬褒章を受章した名俳優は「ガリマールの中にある、一見特殊なものの中にある普遍性みたいなものを、いかに表現できるか」と気合十分。「現実と虚像、男と女、裏切りと誠実さ、愛と幻想など、さまざまなテーマを投げかけてくれる作品」と力を込めた。