人形浄瑠璃の劇場「文楽座」の命名150年を記念する公演を前に、文楽の技芸員(演者)が1日、江戸時代の興行主、初代植村文楽軒の墓がある大阪市の円成院を訪れて、公演の成功を祈願した。
文楽は太夫、三味線、人形遣いが上演する人形劇。名称は文楽軒に由来し、文楽軒の子孫の文楽翁が1872(明治5)年、大阪で文楽座を開場して定着した。
法要には太夫の豊竹咲太夫さんや人形遣いの吉田和生さん、桐竹勘十郎さんら人間国宝も参列し、和生さんは人形を遣って焼香。竹本錣太夫さんと鶴沢燕三さんは、文楽翁が作った「日本歌竹取物語」を、語りと三味線の素浄瑠璃で献奏した。
咲太夫さんは法要後、「文楽の名が残ったのは文楽軒のおかげ。体に気を付けて、千秋楽まで無事に務めたい」と抱負を語った。公演は4月2~24日、国立文楽劇場(大阪市)で。3部制で「義経千本桜」や「摂州合邦辻」などを上演する。
この記事をシェアする