オリックス・岡崎大輔スカウトは、かつての〝宿敵〟浦和学院を訪れている(撮影・赤堀宏幸) 昨年、25年ぶりにパ・リーグを制したオリックスの次のドラフト戦略が注目される。現場の中嶋監督と福良GM、牧田編成部副部長らが練った戦略に沿って、スカウトが行脚している。
経験豊富で人脈が重視されてきているスカウト陣に、23歳の岡崎大輔氏が加わったのも、そのひとつだ。埼玉・花咲徳栄高から2016年ドラフト3位で入団し、5年間内野手としてプレーしてきた経験をベースに、北関東地区(高校、大学、社会人)担当に抜擢された。
「スタメンで出て、日本ハムの大谷投手(現エンゼルス)と対戦したことがあって、自分自身が育成の時代を経験したことも生かしていきたい。選手の特徴をつかみ、昨年までユニホームを着ていた感覚と合わせて考えるようにしていこうと思っています」
花咲徳栄高時代は右投左打ちの遊撃手、主将で3番を打ち、広島に2位指名で進んだ左腕・高橋昂也投手と共に2度甲子園に出場し、プロへの道を歩んできた。
高卒で現役5年間で終えてのスカウト転身は異例。高校から大学、社会人野球に進み、ドラフト対象となる者と同学年で、同年齢ならではの視点で視察し、報告することになる。岡崎スカウトは、注目選手の視察のため、既に高校時代は、〝宿敵〟だった浦和学院など13チーム以上を訪問している。
「新しい目で選手を発掘してほしい。1軍で戦おうとしてきた選手と近かった経験、真面目で、折り目正しくて明るい性格で、活発に動いてくれると思う」と牧田編成部副部長は期待する。
球界で初となる女子ソフトボール経験者の乾絵美氏をスカウトに迎えるなど新機軸を打ち出し、昨秋は即戦力として社会人2人、大学生4人、高校生1人を支配下で、育成で3人指名し、チームは連覇へ向けたスタートを切り、スカウト陣は次への態勢作りに入っている。(赤堀宏幸)
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