静岡県熱海市で昨年7月に発生した大規模土石流で、起点となった土地に盛り土をしたとされる不動産管理会社(神奈川県小田原市)が、熱海市内の別の場所でも不適切な造成をしたとして、静岡県が森林法に基づく中止命令と復旧命令を出していたことが7日、県関係者らへの取材で分かった。
不動産管理会社が復旧命令に従わない場合、県は行政代執行や県警への刑事告発も検討する。
関係者によると、不動産管理会社は2016年に熱海市内の保安林での造成を申請し、県は許可した。ところが、許可内容と異なる区域にも土砂を搬入していたことが分かったため、県は17年4月に中止命令を出した上で、土砂流出対策を取るよう求めた。
しかし、不動産管理会社は命令に従わず、土砂を放置。21年7月に小規模な崩落が起き、県は今年1月に土砂の撤去を求める復旧命令を出した。
不動産管理会社の元幹部は取材に「土砂を搬入したのは別の業者だが、申請人として是正する」と話した。同社を巡っては土石流の起点での盛り土に関し、熱海市が県条例に基づく措置命令を検討し、その後に発令を見送っていたことが既に分かっている。
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