東京・渋谷のNHK放送センター前で抗議する市民団体のメンバー=28日午後 NHKがBS番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、五輪反対デモに参加した男性が金銭で動員されているとする、事実と異なる字幕を付けた問題で、デモを主催した市民団体が28日、東京・渋谷のNHK放送センターを訪れ、番組はデモ参加者への「侮辱」だとする抗議文を提出し、謝罪を求めた。
番組では、取材を受けている匿名の男性にNHKが「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕を付けて放送。NHKは男性のデモへの参加や金銭授受について事実確認をしておらず、その後の放送で映画関係者と視聴者に謝罪していた。
抗議文は、番組で「悪質な印象操作」がなされたとした上で、デモが金銭で動員されているという臆測を生む「報道加害」が続いていると批判。放送に至る事実経過を再検証し、デモの主催者や参加者に明確に謝罪するよう求めた。
NHK側に抗議文を手渡した後、記者会見した団体のメンバーは「なぜ放送されたのか。全てを明らかにした上で反省、謝罪があるべきだ」と述べた。