厳寒の1月。ヘラブナの活性が極端に低く、1年で最も釣果が出ないのがこの時期。そんな悪条件の下、ウキをどう動かしていくかが課題。埼玉県寄居町にある『円良田湖』に出掛けたが、釣り方を変えた後半の短時間にようやく結果が出た。
★概況 魚影の濃さには定評ある『円良田湖』だが、厳寒期は釣果が落ちるため、湖の一部に仕切り網を張り新ベラを放流した〝網中〟釣りができる。今期も2・2トンの新ベラを放流。年末までは順調だったが先日の降雪以降は水温が一気に下がり、型を見るのがやっと。今後水況が安定すれば期待できる。
★ポイント 網中には4本の桟橋。例年のこの時期は満水だが、現在1・5メートルほど減水。そのため最深部でも21尺で底が取れる。ヘラブナの動きが鈍く、奥寄りの深場の桟橋が狙い。
★釣り方・餌 宙、底どちらも好みで選択。底釣りは水深に合わせて竿を選択。宙釣りなら13尺から18尺をポイントに応じて使い分ける。餌はバラケにグルテンかウドン系のセット。
★実釣 年末に友人が20枚釣ったとの情報。しかし降雪による雪代が入って以降、ひと桁にまで落ち込んでいる。例年であれば数釣りも可能なのだが…。
岸寄りの浅場に薄氷も張る中、最深部のポイントに入った。18尺竿でバラケにグルテンのチョウチンでスタート。しかし1時間経ってもウキに変化がない。正面から朝日が昇るため、逆光でウキが見えにくい。2時間アタリはなく、宙釣りを諦めて21尺の底釣りに変更。しかし底釣りでも結果は同じで正午までオデコ。食いが渋く、食わせ餌のグルテンでさえ、バラけ過ぎて反応しない。
午後1時すぎ。16尺竿に替える。食わせもウドンにして再開。ウキも「忠相・ネクストビート」に変更。トップの素材が極細のグラスムクで、食わせ餌をより自然な状態で落下させるとともに表現することができるのが特長。20分が経過。トップ先端までゆっくりとなじんだところで、穂先を持ち上げて誘いを入れる。〝フワッ〟とかすかなサワリ。次投。誘いの直後、力強く1節の〝チクッ〟。アタリだ。小気味よい引きで30センチがヒット。玉網に収まったヘラは、まさに値千金の1枚だ。
この時を境にサワリが連続。なかなかアタリにはならないが、明らかに餌の周辺にヘラがいるのは分かる。何度か空振りしながらも、15分後に同型を2枚続けてヒット。
結局、この日は3枚で納竿。短時間に凝縮された釣りだったが、ウキの形状の違いで、これほどまでに動きに違いが出るものかと痛感した。(APC・小澤浩)
★当日の餌★
バラケ=「セットガン」100cc、「粒戦」100cc、「とろスイミー」50cc、水180cc
「セットアップ」100cc、「セット専用バラケ」100cc、
食わせ=「力玉ハードⅡ」
◎ガイド◎
〈案内〉円良田湖『管理事務所』電話048・581・8511〈交通〉JR八高線・寄居駅下車、タクシー利用。マイカーは関越自動車道・花園ICから秩父方面に約15分〈料金〉2100円(入漁料込み)。営業時間は午前6時30分から午後4時まで。
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