アイスダンスではパートナーとの調和が大事になってくる【ポイント1】パートナーとの調和
カップルはリズムダンス(RD)では1小節、フリーでは5秒以上離れてはいけないというルールがあり、つながっていることが基本となる。だが、見せ場の一つであるツイズルは、離れた2人が同時に連続でターンする。求められるのは〝シンクロ〟。近距離でのターンや、速いターンは出来栄え点(GOE)での加点につながり、ISU認定テクニカルスペシャリストでもある田中氏は「動きが完璧に重なっているのに、(2人の)距離が近く、回転が速いと感心して見入っちゃいますね。近くなるとぶつかるリスクがあり、速い回転は合わせるのが難しいので」と奥深さを語る。
【ポイント2】音楽との調和
男性が女性をたくましく持ち上げるリフトは、「よくそれでバランスが取れるな」(田中氏)という難しい姿勢で持ち上げると高い評価を受けるという。その力強さが観客を引きつけているが、田中氏は「上げるときの音楽に耳を傾けてほしい」と力を込める。ときには音楽の盛り上がりに合わせて壮大に。ときには優雅な音楽に乗り、上げようとする動作が分からないくらい滑らかに。演技と音楽との調和が2人の世界観を作り出している。
五輪でのアイスダンスの日本勢の最高成績は15位。昨季の世界選手権で小松原組は19位だった。一つでも上の順位に食い込むことが団体でメダル獲得のチャンスを広げる。田中氏は「いま、アイスダンスは熱がある。(北京五輪では)演技を楽しんで見ることで、選手を応援してほしい」。かつてないほどの注目の中、小松原組が華麗に舞う。
★団体戦、羽生も? 日本連盟の竹内洋輔フィギュア強化部長は、「(団体戦は)メダル圏内にいる。何としてでもメダルを取りたい」と照準を定める。出場メンバーは、状態などをかんがみて直前に、男子で全日本選手権覇者の羽生ら日本代表の中から決定する。日本女子のエースとして五輪に臨む坂本は「団体はメダルが狙える。出られたらベストを尽くしたい」と出場に意欲を燃やしている。演目は基本的に、各選手が今季使用しているプログラムと同じ。
★北京五輪・フィギュアスケート団体戦の大会方式 10チームが出場し、順位点の合計で争う。男女各1人、ペア、アイスダンス各1組が演技し、ショートプログラム(SP)、リズムダンス(RD)、フリーの各種目で、1位10点、2位9点…10位1点が与えられる。SPとRDを終えた前半時点の上位5チームが後半のフリーに進出する。フリーで選手を交代できる。平昌五輪金メダルはカナダ。昨年の世界国別対抗戦優勝はロシア。
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