青木(奥)らとともにノックを受ける村上(撮影・長尾みなみ) ヤクルト・村上宗隆内野手(21)が18日、神宮外苑の室内練習場で合同自主トレーニングを公開し、2月の春季キャンプに2種類のバットを持ち込む意向を示した。昨季、自己最多の39本塁打でタイトルに輝いた大砲は「キャリアハイの本塁打数をたたき出したい」と宣言。史上最年少でシーズン40号を達成すれば、残り46本で最年少記録での150号到達が見えてくる。
ヤクルトの若き4番打者が新たな記録に挑戦する。気温7度。冬晴れの空の下、充実の表情を浮かべた村上は、球団初の2年連続日本一に向けて抱負を口にした。
「46本という数は自分のキャリアハイでもありますし、すごく難しい数字だけど、それ以上を目指して頑張りたい。その記録だけではなく、キャリアハイのホームラン数をたたき出せるように頑張りたい」
昨季は西武・清原和博の21歳9カ月を抜く史上最年少の21歳7カ月で、通算100本塁打を達成。レギュラーシーズンで自己最多の39本塁打を放ち、初のタイトルを獲得した。
2月2日に22歳となる村上。今季は、巨人・王貞治(1963年)と西武・秋山幸二(85年)が23歳で達成したシーズン40号の年少記録に挑む。その先に、再び〝清原超え〟を狙う。
「46本」は通算150号までの本塁打だ。150号の最年少記録は清原和博で22歳11カ月。昨季から7本の上積みは簡単ではないが、打席数が増えれば追い風が吹く。
昨季は15・8打席に1本のペース。昨季は行われなかった延長戦が、今季は従来通りの十二回まで実施される方向。仮に昨季のヤクルトの引き分け18試合が延長となった場合、「18試合×1、2打席」=30打席ほど増える。単純計算でも2本以上の上積みに期待がかかる。
バットも柔軟に持ち替える。プロ2年目の2019年から、同僚の青木が使用しているミズノ社製の〝相棒〟にこだわったが、昨季の日本シリーズ前に新たなバットを試した。
青木モデルと形状が異なってヘッドがくり抜かれたもので、一般的に軽く感じ、振り抜きやすいとされる。村上はシリーズ直前の実戦形式の練習で使い始め、2本塁打をマーク。初の大舞台では、アーチを架けた第1戦から第4戦まで使った。第5、6戦は青木モデルを使用し、第5戦で本塁打を記録。急きょ二刀流で臨み、20年ぶりの日本一に貢献した。
好感触を得た新バットについて「打った感覚(が大事)なので、(今季も使うかは)まだ断言できない。自分に合ったものを使いたい」。今月の自主トレや2月の春季キャンプ中を通して、方向性を決める構えだ。
「全てのタイトルを取れるなら取りたい。昨年より、いい成績を残すことは絶対条件」。再びレジェンド超えに挑むプロ5年目。新たな歴史の1ページを切り開く。(森祥太郎)
★13失策→「ゼロに」 攻守でチームを引っ張る。村上は守備の名手に贈られるゴールデングラブ賞の獲得にも意欲を示した。「打つ方だけでなく守備ではゴールデングラブ賞を目指して。エラーはゼロにしたい」。昨季は主に三塁を守り、チームワーストの13失策を犯した。「堅実に守ることができれば。『うまくなったな』と言ってもらえるように頑張ります」と誓った。
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