「アンネの日記」で知られるユダヤ人少女、アンネ・フランク一家の隠れ家を密告した可能性がある人物を、米連邦捜査局(FBI)の元捜査官が率いる約20人のチームが特定した。ロイター通信などが17日報じた。
密告したとされるのは、ユダヤ人公証人のアーノルト・ファンデンベルフ。調査チームはオランダのメディアに、自分の家族を守るためアンネの一家を裏切った可能性が極めて高いと指摘した。
アンネの一家はホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を企てるナチスから逃れようと、占領下のオランダ・アムステルダムの隠れ家で暮らしていたが、1944年8月に拘束された。強制収容所に移されたアンネは45年、15歳で死亡した。
隠れ家が見つかった経緯は謎で、チームは歴史的な「未解決事件」解明のため、コンピューターなど最新技術を用いて数年かけて調査した。
英BBC放送によると、調査を主導した元FBI捜査官のビンス・パンコーク氏は「ファンデンベルフは自身と妻の安全のために、接触してきたナチスに何か貴重な情報を提供しなければならなかった」と話した。(共同)
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