例年通りなら、ポスティングシステムを利用して米大リーグ移籍を目指している広島・鈴木誠也外野手(27)のチームは決まり、入団会見を済ませているころだ。しかし、労使協定の改定が合意せず、オーナー側と大リーグ機構(MLB)はロックアウトを強行。フリーエージェント(FA)選手の交渉、契約締結などができない状況となっている。
米メディアなどの報道によれば、合意のメドは2月中、との見解もあるが、現状では進展はしてない。鈴木誠の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏によれば「キャンプはあくまでシーズンに入るための準備期間であって、球団もそこまで選手に大きな負担をかけたくないもの。3月中旬に(鈴木と移籍先球団が)契約したとしても、問題ない。何が起こってうまく対応できると思う」と語る。通常、2月20日前後に野手はキャンプインするが、メジャー契約を結ぶ予定の鈴木誠なら、調整ペースを急ぐ必要なない、という。3月31日の開幕に合わせて、オープン戦出場を含めた実戦経験を重ねればいい、という考えだ。
「(労使交渉が)長期化することはむしろ良いことかもしれない。複数年契約をすることには変わりないから、遅れて合流するのはいいことかもしれない」とウルフ氏は11月下旬のオンライン会見で説明している。8球団以上のメジャー球団が鈴木誠の獲得について興味を示しているそうで12月1日のロックアウト前に鈴木誠はオンラインで複数球団との面談を済ませているようだ。
メジャーでは労使交渉の行方が不透明なまま年を越す。鈴木誠にとって2022年は決断と挑戦の1年。他の日本選手たちと同様に新天地で立ち向かう姿を追いかけたい。(山田結軌)
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