今年の漢字に選ばれた「金」。カネに関する問題も多かった(代表撮影) サンスポの直撃インタビュアーとしてもおなじみの、追手門学院大学客員教授でフリーアナウンサー、梅田淳氏(60)のコラム「梅ちゃん先生」(月1回予定)。今回は今年の漢字「金」について。あえて「キン」ではなく「カネ」と読んで、熱弁をふるった。
今年の漢字は「金」。去年が「密」。それにしても今回はあの清水寺のイベントも含めてあまり話題にならなかった気がする。だって「キン」と読むなら、オリンピックイヤーには毎回選ばれる位の常連で、あまりに安直でひねりがない! だから今回は「金」を「カネ」と読んで話を進めることにする。
「カネ」は天下の回りもの? えっ! 私の家にはまだ回ってきてないなあ…そんな中、来年度予算案が107兆円を超えたそうだが、その3割強は国債に頼ることになる。大丈夫なのか? そして岸田総理は、このコロナ禍で「おカネ」に困ってる人の最優先を「18歳以下の子供のいる家庭」とした。
もちろん、この2年の間に、私も給付金をありがたく頂き、足しげく通う店の小規模事業主たちも「本当にありがたいですわ…そやけど大きな店やったら全然足りませんよ! 不公平ちゃいます?」と言っていた。政治が国民を救う一番手っ取り早い手段は「カネ」を配ること? 少し下品だが最も現実的救済策だと誰もが感じているのは事実。しかし、そこに「不公平」があれば…ありがたさが不満に変わるときがある。
ハッキリ言うが、わが家に18歳以下の子供問題は全く関係ない。偶然? 私の周りもほとんど関心がない。ところが、10万円全額現金か半分をクーポンか、5万円を2回に分けて渡すか? 等々を国家最大の懸案事項かの如く、テレビも新聞もネットも取り上げる。いかがなものか? 何も全く注目しないわけではないが、まず大事なのは不公平感がないこと!
世帯所得制限についての考え方もさまざまだ…。とにかく、あの〝アベノマスク〟のときの常識はずれの無駄遣いや、今回の給付に関わる莫大な事務経費など、われわれの貴重な血税を平気で無駄遣いすることだけはぜひ止めてもらいたい! 全国の首長に状況に応じた権限を与え、スピード感を持って実行すれば早期に決着したはずではないのか?
そこで岸田総理! 今年の締めくくりに一言申し上げる! あなたは安倍、菅両総理に比べれば「人の話を聞く耳は持っている」と柔軟な対応ができている様子は見えるが…少し優柔不断にも見えてしまう。国会議員の「文通費」問題は結論出ぬまま…。北朝鮮拉致問題もとにかく早く解決しないと! 財務省のデータ改ざん問題で自殺した赤木さんの裁判も1億円の解決金? で完全にふたをしてしまった。問題山積での年越しだ! 今本当に苦しんでいる人は誰なのか? 不公平感のない日本にするのに何が一番大切なのかを考えていただきたいと切に願う。
さて、来年はどんな一文字が選ばれるのか?「虎」が主役になる年、コロナをやっつける勇猛な「虎」が現れ、阪神タイガースに優勝をもたらす…。そして「虎」が、2003年以来の今年の漢字に⁉ こんな単純な想像力しかない梅ちゃん先生ですが、来年もお付き合いください。それでは皆さまどうぞ良いお年を!
■梅田 淳(うめだ・じゅん) 1961(昭和36)年1月10日、岐阜市生まれ、60歳。日大芸術学部を卒業後、83年に関西テレビ入社。ハイテンションのアナウンサーとして人気に。2003年には阪神優勝の実況を務めた。04年3月末に関西テレビを退社。現在はカンテレ報道ランナーの「おしゃスポ」のコーナーなどバラエティー番組やスポーツリポーターなどで活躍。追手門学院大学客員教授。
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