前半、大分舞鶴のディフェンスを振り切り、ボールを持って突進する倉敷・ティポアイルーテル・ラリー(#8)(撮影・林俊志) 第101回全国高校ラグビー1回戦(27日、倉敷0-22大分舞鶴、花園I)創部3年目でたどり着いた聖地での1勝は遠かった。だが、倉敷の大黒柱、NO・8ティポアイルーテル・ラリー(3年)の顔には充実感が漂った。
「最初から最後まで全力を出し切って頑張りました」
サモア生まれで、ニュージーランドからの留学生。192センチ、108キロの巨体で50メートルを6秒1で走り、キックもできる。島根・江の川(現石見智翠館)、広島・尾道を花園の常連校に育てた名将・梅本勝監督(58)とともに2019年の創部と同時に入部。ホームシックに悩まされながらも部員6人から花園を目指し、実現させた。
父はサモア代表で、アイルランド代表CTBバンディ・アキ(31)を兄に持つが、本人の夢は日本代表。卒業後は関東学院大に進学し、新たな夢を追う。(月僧正弥)