大相撲の荒磯親方(35)=元横綱稀勢の里=が年寄名跡を変更し、年寄「二所ノ関」を襲名することが18日、分かった。現在の二所ノ関部屋の師匠、二所ノ関親方(元大関若嶋津)が来年1月12日に日本相撲協会の定年(65歳)を迎えるため。すでに今月初旬の理事会で承認され、近日中に発表される予定。「二所ノ関」は5系統ある一門のひとつ、二所ノ関一門の看板で将来的に一門の「総帥」への期待がかかる。
8月に独立して荒磯部屋を興した荒磯親方が、一門の看板「二所ノ関」を襲名することになった。現在の二所ノ関親方の定年に伴い、名跡を変更する。
一門は協会の理事選や連合稽古、冠婚葬祭などで協力し合う存在で、二所ノ関は「出羽海」「高砂」「伊勢ケ浜」「時津風」とともに5系統ある一門のひとつ。荒磯部屋を含め、最大の15部屋が所属する。コロナ禍の現在は行えないが、東京だけでなく地方場所でも連合稽古を実施する唯一の一門として知られる。
同部屋は優勝32度を誇る「昭和の大横綱」大鵬のほか、戦前の土俵に君臨した横綱玉錦、大関佐賀ノ花や大麒麟、のちにプロレスラーに転身した関脇力道山らを輩出。「土俵の鬼」といわれた初代横綱若乃花、横綱玉の海、大関琴ケ浜も入門からしばらくの間、在籍した。二所ノ関一門の田子ノ浦部屋に所属し、横綱まで昇進した荒磯親方には将来的に一門を率いる大役への期待も寄せられている。
同一門の親方の一人は「一門が生んだ大切な横綱。今すぐどうこうではなく、師匠として(荒磯親方も)成長するだろうし、一門のみなさんで育てていきたい気持ち」とした。すでに2日の理事会で承認されており、近日中に正式発表される。