俳優、山田裕貴(31)が4日放送のTBS系「人生最高レストラン」(土曜後11・30)に出演。プロ野球中日と広島で活躍した父、山田和利氏(56)の思いを知り、声を詰まらせる一幕があった。
山田は2010年に芸能界入り。19年度前期のNHK連続テレビ小説「なつぞら」で全国区となり、今年だけで計10本以上のドラマや映画に出演し、流行情報誌「日経トレンディ」(日経BP)の「2021年 今年の顔」にも選ばれた超売れっ子。
少年時代には、父の姿に憧れて野球を始め、小学3年から中学3年までは硬式野球の強豪チームに所属。しかし「プロ野球選手の息子って言われるのもプレッシャーで、僕が父を追いかけているのか、ちゃんと自分の人生を生きているのかわからなくて。何のために野球をやり始めたんだっけって悩み始めたら、全然頑張れなくなっちゃって」と思い悩んだ末に中学で野球から離れてしまった。父からは「俺は野球をやれとは言っていない。だけど、お前がやるって言ったことを何で最後まで続けなかったんだ」と叱られたというが、父と同じ強豪校の東邦高に進学しても野球部には入らなかった。高校3年の時、野球部が甲子園に出場。「中学時代に戦った仲間とかが甲子園で戦っているのを見るんですよ。俺、何やってたんだって思って…。自分が野球を続けてなかったことをものすごく後悔して、絶対お芝居ではできないぐらいのあり得ない量の涙が、試合開始前のサイレンが鳴る前に止まらなくて」。その時になって初めて、父の言葉の意味を実感できたといい「自分がやるって決めたことをやめた時って、ものすごく後悔するんだなと思って。だから、次挑戦するって決めたことは絶対死ぬまで続けようって思ったのが、この俳優のお仕事」と俳優の道を選んだ原点を振り返った。
番組では、山田の妹に「和利氏の息子に対する思い」を取材。同局の宇賀神メグアナウンサー(25)が「褒める父ではないですが『裕貴はよくやっている』『俺にはできないことだからすごい』と前にポロッと言っていました。今も出ている映画やドラマは必ずチェックしているし、映画館に大きく張り出されているポスターを見て『大きく名前載ってるね』とうれしそうにしていました」と妹から聞いたエピソードを読み上げると、瞳を潤ませ「やばいっすね。ちょうど今年は『今年の顔』ってのに選んでもらって、自分がより頑張らなきゃいけないなとか、すごいいろいろ思った年だったのでキマすね…」とコメント。父の思いに触れ「本当に褒めない人だったので。『あの作品のあの芝居は、別にお前の芝居がいいわけじゃなくて、キャラがハマってるだけだから』とか。本当に褒めない人なので、なんかうれしいです」と喜んでいた。