約2年1カ月ぶりの日本での試合に向けて順調な井上尚弥(大橋ジム提供) プロボクシングWBA、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28)=大橋=が2日、IBF5位のアラン・ディパエン(30)=タイ=との防衛戦(14日、東京・両国国技館)に向けて、横浜市の所属ジムで練習を行った。
政府が新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の急拡大を受けた水際対策の強化措置として、11月30日午前0時から当面1カ月、全世界を対象に外国人の入国を禁止したが、ディパエンは同28日に来日しているため、日本のレフェリー、ジャッジなどで試合が行われる予定。
この日は元WBC世界同級暫定王者で、WBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者の弟・拓真(25)=大橋=とマスボクシングで実戦調整。ミット打ち、サンドバッグ打ちなどで汗を流した。今週の初めに試合前最後のスパーリングを終え、「順調です。日本での調整はやりやすい」と約2年1カ月ぶりの日本での一戦へ万全だ。
ディパエンの警戒する点を「ここ、というところがあるわけではない」としたが、「周りの今回の試合に対する予想など、いろいろな声はあるが、早く倒すというような雰囲気に乗っかってスタートからそういう気持ちでいったら、本来のボクシングはできない。対戦相手が誰でもいつも通りの試合を心掛けたい。冷静にいかないといけない」と油断はない。
同18日の会見では「リードパンチ(ジャブなど試合を組み立てるパンチ)で倒す」と宣言したが、「本当にリードパンチで倒すのではなく、それぐらいの実力差を見せるという意味。ただ、ジャブで倒す準備もしている。ジャブは強化されているし、元々左は得意だから」と改めて真意を説明した。
プロ戦績は井上が21戦21勝(18KO)、ディパエンが14戦12勝(11KO)2敗。
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