来季に向け鍛錬を積む阪神の秋季練習で、若さあふれる19歳が目に留まりました。現在、球団最年少の高寺望夢選手です。普段はあまりプレーを見る機会がないのですが、はつらつとしたプレーで存在感を放っています。
長野・上田西高からD7位で入団した今季はウエスタンで58試合に出場し、打率・162、1本塁打、10打点。シーズン終盤は股関節の張りで戦線離脱も経験しました。ただ、以前このコラムでも書いたように、11月の宮崎フェニックス・リーグでは打率・552と大暴れ。将来を期待される有望株は、秋季練習中に矢野監督から来季に向けて〝盗塁指令〟が出されました。
「(盗塁を)40企画。最低でも40企画したいと思います」
ルーキーイヤーは2軍で2盗塁。3企画とやや消極的な数字に「走塁面であまりチャレンジできなかった」と振り返りました。「1軍に最初上がるとしたら、そういう(走塁)ところからの可能性もある」。決して足が遅いわけではありません。隠したままでは、もったいないほどの俊足も魅力の一つ。走を足がかりに、1軍昇格が第一の目標です。
打撃は「ファームで3割は打ちたい」と設定。いまは、普段一緒に練習することのない中野を〝師匠〟とし、「自分は見て盗むタイプ」と、目をこらして守備の極意を学んでいます。走攻守のレベルアップを誓い、大きな野望を持って臨む2022年。伸びしろしかない若虎が急成長をとげ、一躍スターとなるかもしれません。(原田遼太郎)
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