プロ野球の日本一を決める「SMBC日本シリーズ2021」は20日、京セラドーム大阪で開幕し、25年ぶりのパ・リーグ優勝を果たしたオリックスが6年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトに4―3で逆転サヨナラ勝ちした。1―3の九回に宗佑磨外野手(25)の2点打と吉田正尚外野手(28)の適時二塁打で試合を決めた。阪急時代を含めて25年ぶり5度目の日本一へ、オリックスが劇的なスタートを切った。
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快音とともに、白球は前進守備の中堅手・塩見の頭上を越えていった。打球を見届けたオリックスナインは一塁ベンチから飛び出し、ヒーローのもとへ駆け寄る。吉田正がひと振りで決めた。チームにとって25年ぶりの日本シリーズ初戦は、主砲のサヨナラ打で白星スタートだ。
「いやぁ、しびれましたね。(同点打の)宗がこれまでにないくらい、球場を盛り上げてくれたので。その勢いでいかせていただきました」
歓喜のウオーターシャワーを浴びた男が、笑顔で振り返った。劇的勝利は1─3の九回に起きた。相手守護神のマクガフから先頭の紅林が右前打で出塁し、代打・ジョーンズが四球を選ぶ。福田は犠打野選で、無死満塁と好機を作った。
ここで宗が「後ろに(吉田)正尚さん、ラオウ(杉本)さんがいたので、三振OKの気持ちで」と中前へ同点の2点打。京セラドームに詰めかけたオリックスファンのボルテージが最高潮に達すると、主砲が初球153キロ直球を一閃。「正直、あんまり覚えていない。おいしかったですね」と笑った。
それまでヤクルトの投手陣を前に打線が振るわず、6回1失点の絶対的エース山本を援護できない。0─1の七回に代打・モヤが一時同点となるソロを放ったが、吉田正、4番の杉本ら主軸が抑え込まれ、苦しい試合展開だった。それでもファイティングポーズを取り続けるのが今年のチーム。中嶋監督も「なかなか序盤で(打球が野手の)間を抜けなくて、向こうの守備もすごく良くて。流れが悪いなと思ったんですけど、よくひっくり返したと思います」とナインをたたえた。
レギュラーシーズンでチームは両リーグ最多となる5度のサヨナラ勝ちをマーク。12日のクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦でも〝サヨナラドロー〟で日本シリーズ進出を決めた。指揮官が常々口にしてきた「最後まであきらめない」という姿勢を、頂上決戦の場でも体現。選手会長の吉田正も「今年の一年間、あきらめずに戦ったのが、日本シリーズの舞台で出せた。この勝ちを自信にして、チームとして上に行けると思う」とうなずいた。
四半世紀ぶりの大舞台。最高の形で先勝した。中嶋監督も「どっちも勢いはある。向こうにもありますし、うちにもあります。そのせめぎ合い。変なミスがなかったら、なんとかいけると思う」と手応えを口にした。試合終了の瞬間まで、何が起こるか分からない。最後には中嶋オリックスが笑ってみせる。(西垣戸理大)
★データBOX
◉…日本シリーズでのサヨナラ試合は40度目。最終イニングの2点差からの逆転サヨナラ勝ちは最大差で、50年第3戦の松竹(4-6→7-6毎日、九回に三村勲の単打)以来71年ぶり2度目。
◉…シリーズ第1戦に勝利した球団は過去68度(引き分け3度を除く)のうち、日本一が44度、優勝確率が64・7%。ホームの球団が開幕戦に勝利したのは過去37度のうち、日本一が21度、優勝確率は56・8%。
◉…パ・リーグ球団は18年第3戦(ソフトバンク○9-8●広島)からシリーズ13連勝。本拠地では13年第7戦(楽天○3-0●巨人、Kスタ宮城)から20連勝。