ひょっとして、いや本当に奇跡が起きるのでは…。10月21日は、そう思わせるような一日だった。阪神は中日を投打で圧倒。一方、首位ヤクルトは前半の3点リードを守り切れず、まさかの逆転負け。両チームのゲーム差は「0・5」となった。
「ヤクルトの勢いはそう続かない。連勝の反動は必ずある。最後まであきらめずに頑張っていればなにが起きるか、わからんよ」
10月12日からの巨人3連戦(東京ドーム)を取材中、阪神OBの一人は喫煙所で熱く語っていた。ヤクルトは9月中旬に9連勝、10月1日からは7連勝。阪神、巨人を抜いて、一気に首位に立ったことに言及。「大型連勝よりも2勝1敗と勝ち越して、手堅く貯金を増やしていくのが、本当の強いチーム」とも力説。右ハムストリングに張りを訴えた近本の状態は気になるが、最近のヤクルトは救援投手が不安定。打撃陣も好不調の波があり、チーム状態は明らかに下降線だ。
順位は貯金数ではなく勝率で決まる。引き分け数(阪神9、ヤクルト18)を考えると、同じ貯金数ならヤクルトを勝率で上回れない。阪神は残り3試合をすべて勝てば勝率・590。ヤクルトが残り5試合で2勝3敗(・584)なら〝奇跡〟は起きる。
「ヤクルトの結果は、もちろん気になる」と矢野監督。僕もスポーツ新聞を手にすると、真っ先に、優勝ラインの「勝率表」をチェックするのが日課となっている。(三木建次)
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