笑顔の松山英樹 =千葉県印西市の習志野カントリークラブ (撮影・戸加里真司) 米男子ツアー日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」は21日から4日間、千葉・アコーディア習志野CC(7041ヤード、パー70)で開催される。20日は練習ラウンドが行われ、松山英樹(29)=LEXUS=は18ホールを回って最終調整。各日上限5000人の観客の前でマスターズ王者の実力を見せる。今大会の賞金総額は995万ドル(約10億9450万円)、優勝賞金は179万ドル(約2億430万円)。予選カットはない。
■「いいプレーを見せたい」 澄み切った秋空が広がる。練習ラウンドを回る松山の表情も、自然と柔らかくなる。東京五輪で銅メダルのプレーオフに敗れ、4位になってから約3カ月。マスターズ王者が帰ってきた。
「いいプレーをファンに見せられるように頑張りたい」
五輪は無観客だったが、今大会は1日5000人を上限に観客が入る。4月の「マスターズ」で日本男子初のメジャー制覇を果たして以来、日本のファンの前では初のプレーとなる。
最終調整では2人の〝お供〟を従えた。東北福祉大の後輩で国内ツアー3勝の金谷拓実、下部ツアー今季3勝の19歳、久常涼。どちらも王者とのラウンドを切望し、念願かなった形。今春、岡山・作陽高を卒業したばかりの久常に対しては「りょうは同級生(石川遼)にいるからかぶる」との理由で、本人からの提案もあり「ツネ!」と呼んで面倒を見た。
2人の熱い視線を浴びながら、難度が高い4番(パー4、505ヤード)ではティーショットを池ポチャ。「もう少し前から打ってもいい?」とおどけつつも、アプローチはグリーン横のラフからピタリと寄せ、王者たるゆえんを見せつけた。
■復調のきっかけつかむ 2年前の大会ではタイガー・ウッズ(米国)と優勝を争い、2位に入った。しかし、米ラスベガスでの直近2週は50位にも入れず「ショットもパットもアプローチも、全てが求めているレベルにない。マスターズが10としたら1もない状態」と自己分析は厳しい。
それでも、日本のファンに情けない姿は見せられない。「いいゴルフをできれば優勝のチャンスもある」と力を込めた。母国で復調のきっかけをつかむ。(一色伸裕)
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