快足だけじゃない。明大・丸山が八回にリーグ戦初本塁打を放った(撮影・桐原正道) 前橋育英高3年夏には甲子園で1大会8盗塁を記録したドラフト会議まであと1日。明大の主将、丸山和郁外野手(4年)は50メートル走5秒8の俊足が武器で、前橋育英高時代は3年夏の甲子園で1大会最多タイ記録となる8盗塁をマークした。明大では2年時に全日本大学選手権優勝と大学日本代表を経験。9日の東京六大学野球・東大戦(神宮)ではリーグ戦初本塁打を放ち、アピールした。
自慢の外野守備と快足に加え、パンチ力でもアピールした。八回2死二塁。東大・松岡由の内角高めの直球に反応。明大・丸山が右翼席にリーグ戦1号2ランを放った。
「練習で引っ張っていい打球が出ていた。あの打席は強く意識していた」
逆風の中、前橋育英高3年春の群馬大会の決勝以来となる本塁打。左太もも裏の状態が万全でなくとも、50メートル走5秒8という俊足でも魅せた。五回には左翼線に二塁打し、左翼手から二塁への送球が乱れると一気に三進。「自分でいけると思った」。次打者の中飛で生還した。
「外野の守備、走塁はプロで十分通用する高いレベルにある」。スカウト陣の評価は一致する。前橋育英高時代は3年夏の甲子園で1大会最多タイ記録となる8盗塁。明大ではリーグ通算打率・300、17打点、11盗塁を記録する。
試合後は「今はドラフトのことは考えていない」と表情を崩さなかった。試合の朝はグラウンド脇の島岡元監督の胸像に参拝するが、田中監督から球場外にボールが落ちていたと指摘された。主将として部員の気の緩みを引き締め、試合ではバットで示した。
視察したオリックス・早川スカウトは「足、守備の能力は高く、早くから戦力となる選手」と評価した。丸山が運命の10・11を迎える。
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