五輪競技会場の伊豆ベロドロームと富士山を背に笑顔の自転車女子梶原悠未=静岡県伊豆市大野(撮影・土谷創造)

東京五輪の自転車トラック種目女子オムニアムで銀メダルを獲得した梶原(かじはら)悠未(24)=筑波大大学院=が、活動を支援するスポンサーを募っていることが5日までに分かった。海外レース転戦の資金を調達するため、自身のSNSで募集している。特典として、スポンサーのロゴをユニホームに記載する。3年後のパリ五輪で金メダルを目指す24歳がこの日、取材に応じ「一緒に戦うことができたら」と率直な思いを語った。

■異例のSNSで呼びかけ 2024年パリ五輪で金メダルを狙う梶原は、再出発に向けて一緒に戦う〝仲間〟を募っている。2連覇が懸かる20日開幕の世界選手権(フランス)を皮切りに、12月中旬まで海外レース合計6試合を転戦する銀メダリスト。遠征資金などを調達するため、スポンサーを募集した。

「資金の調達が難しい中、サポートを受け、皆さんの思いを背負って一緒に戦うことができたら、今までと違った挑戦になる。そんな思いで呼びかけました」

11月からスペインなどで5試合が行われる「UCIトラックチャンピオンズリーグ」は今季から始まる賞金レース。世界ランキング上位のトップ選手のみが招待される大会で、日本代表の活動ではなく、個人での参戦。日本自転車競技連盟(JCF)が資金の一部を支援するが、ほとんどが自己負担。渡航費や滞在費、スタッフの人件費などが必要で、万全の状態で臨むためには、世界選手権を含む6試合で約2500万円を準備しなければならないという。

東京五輪の自転車トラック種目女子オムニアムで銀メダルを獲得した梶原悠未

■8社に〝直談判〟も契約は至らず 個人での海外レース参戦は「初の試み」。資金繰りに苦戦する中、挑戦を決めたのは、東京五輪を終え「世界のライバルと戦う経験を数多く積むことが最優先してやらなければいけないこと」と実感したからだ。同リーグからの招待を受け、自身でも8社に出向いて〝直談判〟。それでも契約には至らず、SNSでの呼びかけに踏み切った。

二人三脚で取り組む母・有里さんは「来季やその先の今後、娘が最高の状態で(海外レースを)回り、最高のパフォーマンスをするために軍資金が必要」。普段の海外遠征には、自転車のメンテナンスを行う整備士らが同行するが、13日に出発する今回の欧州遠征では日本代表として挑む世界選手権以降、費用を抑えるため、有里さんの2人で回る予定だという。

■「パリ五輪に向け強化したい」 アマチュアの選手にとって、資金面など手厚いサポートは競技力向上に直結する。「世界のトップ選手とレースを走りながらパリ五輪に向けて強化していきたい。その構想を実現するにはお金が必要」と訴えた梶原。サポートが金メダルへと導く架け橋になるかもしれない。(武田千怜)

★代表時はJCFが援助 日本代表として日の丸を背負って戦う世界選手権やネーションズカップで海外遠征に出る際は、日本自転車競技連盟(JCF)が資金を援助する。また、JCFのスタッフが、身体のケアや自転車のメンテナンスなどをサポートする。

◆梶原 悠未(かじはら・ゆうみ) 1997(平成9)年4月10日生まれ、24歳。埼玉・和光市出身。筑波大坂戸高から筑波大に進み、昨年4月から筑波大大学院。高1で自転車を始め、10カ月後の全国高校選抜で3冠。2016年にシニアに転向し、17年12月のW杯第3戦のオムニアムで日本女子初優勝。W杯通算4勝。20年2月の世界選手権で日本女子初の金メダル。21年東京五輪で銀メダル。155センチ、56キロ。太もも回りは61センチ。

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