阪神の話題をさまざまな角度から不定期で提供する企画「Tigers Club House(タイガースクラブハウス)」。今回は、高橋遥人投手(25)の復活を陰から支えた脇谷泰三トレーナー(55)を直撃した。独自の施術「ラクリス」と励ましによる心身のケアの日々を明かし、逆転Vへの切り札となる活躍に期待を込めた。(取材・構成=新里公章)
■独自の施術「ラクリス」 高橋選手とは、昨年の12月からのお付き合いになります。コロナ禍のため会えない期間がありましたが、今年のキャンプで故障してしまった春先から再びケアをするようになりました。
リハビリ中や実戦復帰後も変わらずに週1回、兵庫県内の施設でケアをしてきました。左右対称で、すべての可動域が最大限に動かせるように調整しています。
気を付けていることは、彼の投球フォームを実際に見せてもらい、筋肉が〝引っかからない〟ようにすること。筋肉は疲労がたまると、動かしづらくなる。微弱電流と手わざを組み合わせた施術器具「ラクリス」で伸びなかったゴムが伸びるようにすることで、サポートしています。
夏場から『きっと後半戦はもつれる、救世主として現れたら目立つよ』といってきました。復帰時期のことも考えて『5勝を目指そう、終盤戦で優勝に導く勝利だとグッと価値もあがるよ』とも話していました。
巨人戦で完封(9月25日、東京ドーム)した後「自信がついてきました」と話していました。今はメンタル的にも明るいと思います。球団のトレーナーの方の仕事の妨げにならないよう陰ながら手助けしていきたい。
私も少年時代から野球に親しんで、いい大人に恵まれて今があります。ありがたいことに、西武の山川選手をはじめ多くの選手が施術を受けにきてくれますが、プロ野球選手のセカンドキャリアについてスポーツメーカーと相談したり、野球界全体に恩返しをしたいという思いも強いです。
高橋選手には今シーズン、残り全勝をお願いしたいです。タイガースの16年ぶりの優勝に向けて、彼が切り札になってくれると信じています!
◆脇谷 泰三(わきたに・たいぞう) 1966(昭和41)年6月20日生まれ、55歳。神戸市出身。東灘高を卒業後、商社に就職し、95年に独立。鍼灸師養成施設の神戸東洋医療学院設立に携わり、針やベッドなどの医療機器の販売も行い「ラクリス」を生み出す。現在は同学院の理事、一般社団法人健康情報連携機構事務局長。選手のケアで多忙ななか、草野球も楽しむ。ポジションは捕手。