下半身の粘りを生かしたフォームで、今季初勝利を挙げた高橋。頼もしい左腕が戻ってきた(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、阪神1-0中日、17回戦、阪神9勝7敗1分、18日、甲子園)完全復活だ! 阪神は中日に1-0で勝利。右脇腹痛などで出遅れていた高橋遥人投手(25)が7回2安打無失点で今季初勝利を挙げた。試合前には藤原崇起オーナー兼球団社長(69)=阪神電鉄本社会長=が3年契約最終年の矢野燿大監督(52)に来季の続投を要請したことを明言。16年ぶりの優勝を近づける孝行息子が帰ってきた!
復活を祝福するかのように、甲子園の夕日がヒーローの顔を赤く照らした。約5カ月に及ぶ長く、苦しいリハビリを乗り越えて白星をつかんだ。高橋は今季初のお立ち台に上がって、ようやく相好を崩した。
「(ここまで)うまくいかないことがたくさんあった。チームに迷惑かけたので、こうして勝つことができて、少しほっとしました」
試合前に藤原オーナーが矢野監督に続投要請したことを発表(詳細は3面)。今季初登板だった9日のヤクルト戦(甲子園)で4回6失点(自責5)だった左腕が大変身で花を添えた。
一回から2者連続で空振り三振を奪う。力強い直球と鋭く落ちるツーシームを織り交ぜて、10K。被安打は2本という内容に「できすぎかな」と珍しく自画自賛した。
7回零封で昨季10月24日の巨人戦(東京ドーム)以来となる329日ぶりの白星。指揮官は「持ち味を存分に出してくれた」と称賛し「俺らが優勝するところ(の道のり)の中で遥人が帰ってくるのは大きな要素の一つ。そういうピースになりうる投手だと思っている」とうなった。
4年目の今季は先発の柱として期待されながらも、キャンプ中に右脇腹を痛めて離脱。「今まで何回もけがをしている中で今回が一番、苦しい期間が長かった」とリハビリ中に心が折れかけたこともあった。
恩師の言葉に救われた。シーズン序盤のある日、左腕を心配した亜大・生田勉監督から一通のメールが届くと、電話をかけた。