レイズ戦で45号本塁打を放ったブルージェイズのゲレロ=トロント(ゲッティ=共同) 【トロント(カナダ)13日(日本時間14日)=共同ほか】米大リーグ、ブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)がレイズ戦の六回に45号ソロを放ち、ア・リーグ本塁打数で単独トップに立った。44本塁打のエンゼルス・大谷翔平投手(27)は試合がなく、6月28日から守ってきたリーグ1位の座から陥落した。日本選手初となる本塁打のタイトル獲得へ、残り19試合で勝負を懸ける。
■低弾道アーチに指揮官「オーマイ・ゴッド」 弾丸ライナーは、低空飛行のまま左翼ポール際に消えた。ブルージェイズが7-0とリードした六回1死。ゲレロがレイズの中継ぎ左腕、コンリーが投じた内角低め、97マイル(約156キロ)の直球を振り抜いた。スタンドインを確認すると大砲は右腕を挙げて喜んだ。
「三塁手が(捕れると思って)跳んだように見えた。フェンスを直撃すると思ったけど、まさか本塁打になるとはね。オーバーフェンスしたのを知って、オー・マイ・ゴッドだよ」
試合後、会見のなかったゲレロに代わり、モントーヨ監督が驚愕(きょうがく)の一打を振り返った。実際は三塁手が打球を見上げただけだったが、打ち出し角度15度の低弾道、打球速度は113・9マイル(183・3キロ)の超速弾だった。
■打点はリーグ3位タイ!大谷とシーズンMVP候補 シーズン45号。この日、試合がなかった大谷の44本を上回り、本塁打争いで単独トップに立った。エンゼルスなどで活躍し、米国野球殿堂入りしている父の年間最多本数も超えた。さらに打率・318はリーグ1位、103打点は同3位タイで三冠王も狙える成績で、大谷とともにシーズンMVPの最有力候補でもある。
7月13日のオールスター戦(デンバー)では、球宴通算200号の先制ソロを放つなど2打点でMVPを獲得。球宴前の会見で大谷について聞かれ「彼がホームランを量産することは、こっちにとっても良いモチベーションになる。離されないようにしないといけない」と語っている。
大谷は6月28日から約2カ月半、守り抜いてきた本塁打トップの座から陥落した。直近の15試合で4本塁打。ゲレロの同9本よりペースは劣るが、4試合連続安打など打撃の状態は悪くない。四球や敬遠も増えることで「なかなか甘い球が何球も来るわけではない。ストライクゾーン近辺のボール球を追わないように。あと1カ月は我慢の打席が多い」と言い聞かせるように自分の境遇を分析している。
■エンゼルス大谷は残り19試合でラストスパート エンゼルスは残り19試合。シーズンは佳境を迎え、ロイヤルズのペレス(42本)も加えた3人のタイトル争いは激しさを増している。日本選手では初の本塁打王を目指す27歳は、14日(日本時間15日午前9時10分開始予定)のホワイトソックス戦に「2番・DH」で出場する見込み。勝負の13連戦で、ラストスパートを開始する。
この記事をシェアする