オンラインで記者会見を開き、現役を引退すると発表した柔道女子70キロ級で東京五輪金メダリストの新井千鶴(2021年9月10日)

東京五輪の柔道女子70キロ級で金メダルを獲得した新井千鶴(27)=三井住友海上=が10日、オンラインで記者会見を開き、現役引退を発表した。「苦しいことも多かったが、その分達成感を味わえた。五輪の舞台で闘えた一試合一試合がすごく印象深く、思い出に残っている」と振り返った。今後は所属先で後進の育成にあたる。

内股を武器に正統派スタイルを貫いた。「無駄な経験は何ひとつない」と2016年リオデジャネイロ五輪出場を逃した悔しさを糧に17、18年の世界選手権で2連覇。東京五輪は、16分41秒に及んだ準決勝を制するなど全4試合を勝ち切った。

東京五輪柔道女子70キロ級決勝でオーストリアのポレレス(右)を破り、ガッツポーズする新井千鶴=7月、日本武道館

引退を決意したのは五輪後で「第二の人生に向けて歩みたい思いが強かった」。晴れやかな表情で思いを語る中、代表コーチとしても支えてもらった上野順恵さん(38)について問われると、涙があふれた。「関わってくださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱい」と頭を下げた。

今後は指導者の道に進む。「選手に刺激を与え、問題を共有して乗り越えていける存在を目指す」。実直な柔道家のイズムを後輩に継承する。(石井文敏)

新井 千鶴(あらい・ちづる)

 1993(平成5)年11月1日生まれ、27歳。埼玉・寄居町出身。3歳の時に柔道を知り、6歳から地元の男衾(おぶすま)柔道クラブで本格的に始める。男衾小-同中-児玉高を経て、2012年に三井住友海上へ入社。13年世界ジュニア2位。世界選手権は15年5位、17、18年優勝、19年3回戦敗退。グランドスラムは通算8勝。今夏の東京五輪金メダル。得意技は内股。172センチ。

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