今月4日、決勝に勝って日の丸を掲げる国枝。日本中に感動を呼んだ
東京パラリンピック2020 車いすテニス男子シングルス決勝戦、プレーする国枝慎吾=有明テニスの森公園(撮影・蔵賢斗)

東京パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで金メダルを獲得した国枝慎吾(37)に対し、所属先のユニクロは9日、特別報奨として1億円を贈呈すると発表した。ユニクロを展開するファーストリテイング社と柳井正会長兼社長(72)が分担して支出する。日本選手団主将も務めた国枝は、57年ぶりの自国開催となった大会で実力を発揮。〝ご褒美〟も力に、さらなる活躍を目指す。

57年ぶりの東京パラリンピックで金メダルをつかみ、日本列島に感動や元気を届けた英雄へ、ユニクロから1億円のプレゼントが決まった。国枝は目を丸くし、喜びの談話を発表した。

「必ず勝つという思いで臨んだ今回の大会で、最高の結果を出せてうれしい。最大限の評価を頂き、最初に聞いたときは震えてしまいました」

シングルスで計5試合を戦い、1セットも落とさず2大会ぶり3度目の優勝。ダブルスを含め、5大会連続の表彰台で通算のメダルは金4個、銅2個となった。史上2位の51個(金13、銀15、銅23)のメダルを獲得した日本選手団を、主将としても引っ張った。

スポンサー契約を結ぶANAからファーストクラスのプレゼント(国枝ツイッターより)

国枝と2009年から所属契約を結ぶユニクロは、人々を勇気づけ、パラスポーツの地位向上に大きく貢献したことを高く評価。障害、コロナ禍など逆境をはねのけての栄冠に、ユニクロをブランド展開するファーストリテイリング社の柳井正会長兼社長は「大きな感動」と賛辞を贈った。同社と柳井氏はテニスの錦織圭が14年全米オープンで準優勝した際に、計1億円のボーナスを贈呈したこともある。ユニクロでは今後パラスポーツイベントを開催するなど競技普及や後進育成にも注力するといい、国枝は「うれしく、楽しみ」と歓迎した。

東京五輪ではフェンシング男子エペ団体で金メダルに貢献した見延和靖(34)に対し、所属先のネクサスから報奨金1億円が贈られた。相次ぐ〝大台突破〟のビッグボーナスは選手に夢や希望を与える形となった。

「この報奨(1億円)に恥じぬよう、これからも良いパフォーマンスを継続していきたい」

37歳の国枝は2024年のパリ大会へ「あっという間に3年たつと思うので、やれない距離感ではない」と6度目の舞台へ意欲をにじませる。東京パラリンピック後初の実戦となる全米オープン(ニューヨーク)から3年後への戦いが始まる。

◆ファーストクラスも

今月4日に東京パラリンピックで金メダルに輝いた国枝は、6日に自身の公式ツイッターを更新し、全米オープン出場のため渡米したことを報告。「(スポンサー契約を結ぶ)ANA(全日本空輸)さんから、なんとファーストクラスのプレゼント」とつづった。周囲の期待やサポートも力に、全米でも躍動する。

報奨金アラカルト

★柔道 女子48キロ級の谷亮子が2004年アテネ五輪で金メダルを獲得した際、所属先のトヨタ自動車から1億円と特別車が支給された。

★マラソン 15年夏から20年3月まで、日本実業団連合は日本新記録を樹立した選手に1億円のボーナスを出す東京五輪に向けた強化策を実施。18年東京で設楽悠太、18年シカゴと20年東京で大迫傑が手にした。

★スピードスケート 18年平昌冬季五輪で2つの金を獲得した高木菜那に、日本オリンピック委員会(JOC)と日本スケート連盟から2000万円の報奨金が贈られた。さらに所属先の親会社、日本電産の永守重信会長から報奨金4000万円と、係長への3階級特進を約束された。

国枝 慎吾(くにえだ・しんご)

 1984(昭和59)年2月21日生まれ、37歳。千葉県出身。9歳で脊髄腫瘍により下半身が不自由になり、小6から車いすテニスを始めた。パラリンピックは2004年アテネ大会から5大会連続で出場し、メダルは金4、銅2。四大大会はシングルスでは全豪10、全仏7、全米7度の制覇。既婚。麗沢大出、ユニクロ所属。

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