日本武道学会柔道専門分科会は9日、日本が史上最多の金メダル9個を獲得した東京五輪についての講演会をオンラインで開き、5階級を制した男子の井上康生監督は「総合力があったからこその結果。選手は自立し、データの力も非常に大きかった」と勝因を語った。
全日本柔道連盟科学研究部は五輪前に2万近くの海外勢の試合映像を集め、新型コロナウイルス禍で国際大会が中断された期間も会員制交流サイト(SNS)で有力選手の動向を注視。同部で中心的役割を担う石井孝法氏は「五輪は紙一重の争い。0・1%の貢献までこだわった」と隙のない活動を強調した。
パリ五輪まで3年で、日本は若手の海外派遣が滞って活性化が課題。女子の増地克之監督は「選手層を厚くすることが必要。世界は動いている。どう追いつくか」と危機感を募らせた。