日本サッカー協会の反町康治・技術委員長(57)が7日までに、日本国籍と外国籍を持つハーフ選手に日本国籍を取得するよう働きかけると明言した。日本国籍を持つハーフ選手は男女を問わず、世界に約50人いるという。将来の日本代表強化に向け、本格的に調査する。
〝金の卵〟の海外流出を防ぐ。欧州などで活躍する日本国籍を持ついわゆるハーフの選手について、日本協会の反町技術委員長が方針を明確にした。
「海外にいわゆるハーフの選手が男女を問わずたくさんいる。彼らに日本の国籍を選んでもらえるように働きかけていく必要はあると思う」
日本国籍と外国籍の両方を持つ選手は世界に50人ほどいるという。日本の国籍法は「20歳以前に二重国籍になったものは、22歳に達するまでに国籍を選択する必要がある」と定める。反町氏は将来の強化も踏まえ、日本代表としても受け入れる体制があることを示す意思を見せた。
中でも、スペイン1部リーグの強豪バルセロナの下部組織に在籍するDF高橋仁胡(にこ、16)については「いい選手だ」と評価。2019年に13歳で下部組織に入り、今夏、U-18(18歳以下)チームに飛び級で入団が決まった。アルゼンチン人の父と日本人の母を持ち、センターバックとサイドバックの両方をこなす。MF久保建英(マジョルカ)以来、2人目となるバルセロナ出身者の日本代表入りが期待されている。
ほかにも、ドイツ2部リーグのブレーメンの下部組織に在籍するGK長田澪(17)は日本とドイツのハーフ。190センチの身長を誇り、J1川崎の下部組織からドイツへ移籍した。デュッセルドルフのDFアペルカンプ真大(20)は東京・世田谷区出身で、三菱養和ジュニアユースを経て父親の仕事の関係でドイツへ渡った。日本とドイツのハーフで両国の世代別代表に選出されている。
過去のA代表や現在の年代別代表にも、すでにさまざまなルーツを持つ選手が選出されており、「日本人」という枠組みの中にいる人の多様さは当然のものになりつつある。10日に創立100年の節目を迎える日本サッカー協会としても、この現実を踏まえてより広い視野で選手の発掘を目指す。
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