「桶ダンス」で肉体美を披露したHiHi Jetsと美 少年。観客の視線をくぎ付けにしそうだ=東京・銀座(撮影・塩浦孝明)
ギャラリーページで見るジャニーズJr.のグループ、HiHi Jetsと美 少年が4日、東京・新橋演舞場で初主演舞台「少年たち」(5~27日)の最終通し稽古を公開した。半世紀以上続く伝統作品での座長デビューを翌日に控え、美 少年の岩﨑大昇(19)は「やっと来たか」と武者震い。所属事務所のジャニー喜多川前社長(享年87)が愛した舞台だけに、HiHi―の高橋優斗(21)は「見ていてくれたら」と天国の恩師に全力投球を誓った。
Jr.屈指の人気を誇る2組が、ジャニーズ伝統舞台の開幕を前に気持ちを高ぶらせた。
「少年たち」は少年刑務所に収監された若者たちが、仲間の死をきっかけに更生する姿を描くミュージカル。ジャニーズ事務所の滝沢秀明副社長(39)が、2019年に亡くなったジャニーさんからバトンを受け継ぎ、今作から本格的に演出に着手。人間模様をより色濃く描いた〝タッキー版〟の第1弾となる。
新橋演舞場といえば、滝沢氏がタレント時代に主演した舞台「滝沢歌舞伎」の聖地。美 少年の浮所飛貴(19)は「5年前に事務所のオーディションを受けた日に、ジャニーさんに言われて『滝沢歌舞伎』のゲネプロを見た。座長として立てて感動している」と喜びを噛み締めた。
裸で踊る「桶ダンス」は先輩グループのKis-My-Ft2とA.B.C-Zが主演した10年から続く、ジャニーさん考案の名物演目。HiHi―の高橋は「昨日先輩方に会って、当時最初に決まったのが『桶ダンス』で、ジャニーさんがめっちゃこだわっていたと聞いた。僕のオープニングのせりふよりシャッター音が多くて、伝統ってすごい」と苦笑。同僚の猪狩蒼弥(18)は「ポロリもあるよ!」と冗談交じりに予告した。
故人は19年6月にくも膜下出血で倒れる前日に〝生前最後の仕事〟として今回主演する2組の公演リハーサルを見守っていただけに、高橋は「ジャニーさんが伝えたかったことが何かを考え続けたい」としみじみ。恩師が作品に込めた思いやジャニーズの伝統を背負い、〝少年たち〟が全35公演を駆け抜ける。
◆デビュー登竜門
物語は2組が脱獄という共通の目的をきっかけに一致団結するが、現実で両グループが目指すのはCDデビューだ。同作の主演はデビューへの登竜門といわれ、HiHi―の高橋は「貪欲に追いかけたい」と宣言。美 少年の岩﨑は「劇場入りしてリハをやったら『これはデビューだな』と思った」とすっかりその気になって笑わせた。