パラリンピックの中間総括記者会見をする大会組織委の武藤敏郎事務総長(左)とIPCのパーソンズ会長=30日午前、東京都江東区のメインプレスセンター

■9月1日 千葉県が東京パラリンピックの「学校連携観戦プログラム」による学校観戦を中止した。千葉市の市立中で教諭6人の新型コロナウイルス陽性が判明し、うち2人が発症数日前の8月25日に1年生を引率して市内の幕張メッセを訪れていた。公表した29日時点では観戦継続の予定が保護者から不安の声を受け一転した。

東京五輪より、さらに感染状況が悪化した中での学校観戦には賛否両論あった。当初13万人が観戦予定だった東京は都教育委員会の反対もあって2万人に激減。千葉でも批判の声は強かったが、熊谷知事は「プロ野球やJリーグは有観客。五輪やパラリンピックだけ特別に扱われすぎる」と反論していた。

一転中止の理由は「引率教諭のPCR検査などさらなる感染対策は教育現場の負担になる」。この件について大会組織委員会の武藤事務総長は「観戦前に発熱の症状があったと聞いている。事前にわからなかったのか」と述べた。生徒に生で感動を覚えてほしいと引率にあたっただろうに、その言い方は残念でならない。

どんなに気をつけても、どこで感染するかわからない。リスクを承知で開催しながら感染者がいたらいたで突き放す。車いすの選手がリフト付きのバスを降りる際に落下したり、選手村を巡回する自動運転バスと視覚障害のある柔道選手が接触する事故も起きた。「事前にわからなかったのか」とは自らの足元をよく見てからいってほしい。

パラは初めて見るような競技もある。テレビでくわしい解説があってこそ理解でき興味深く観戦できるとの声も聞く。残るは5日間。生観戦の機会がなくなった生徒たちは、精いっぱいテレビで感動を受け止めてもらいたい。(今村忠)

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