野球決勝で米国を下して金メダルを獲得し、歓喜する「侍ジャパン」

本紙専属評論家の江本孟紀氏(74)が、東京五輪の野球を総括。金メダルの侍ジャパンを祝福し、ねぎらいの言葉をかけるとともに、競技の世界的な普及に向け、改めて問題点を提起した。(構成・内井義隆)

--五輪の野球は大団円でした

「レギュラーシーズンを中断してまで、オールジャパンを結成し、さまざまな犠牲を払ってきた。何はともあれ、おめでとうございます」

--金は予想通りで?

「他の出場チームは、とても日本のレベルに達していない。当然といえば当然だけど、逆にプレッシャーにもなる。期待され、騒がれて、選手たちは大変だったと思う。加えてこの猛暑。ご苦労さまでした」

--祝福とねぎらい、ですか

「同時に考えなくてはいかんのが、次の24年パリ大会では野球が行われないという事実だ」

--はい

「残念なことに、まだまだ世界的には普及していない。特にヨーロッパでは、サッカーが強くて盛んだから、野球文化が根付かない」

--そこですね

「それを大義名分に掲げて、東京で追加競技になったという側面もある。それならば、なおさら、だ」

--なんでしょう

「出場6チームというのは、いくらなんでも寂しい。せめて16くらいの国と地域が出ないと。なおかつ、レベルの高い熱戦を展開して、世界にアピールしないと。せっかくのオリンピックの場も、普及につながらないわな」

--確かに

「ではなぜ、それができなかったのか。日本、韓国、台湾、北中米以外、プロ野球などない国の方が多いからだ」

--結局、世界的にはサッカーに…という話に戻りますね

「それもあって、エモトは言い続けてきた。オリンピックという舞台は、アマチュアに返すべきだった。トッププロではなく、アマレベルに戻せば、格差も小さくなり、参加する国と地域も増える。それが普及にもつながったはずだ」

--それでは28年ロサンゼルス大会へ向け…

「しつこく言わせてもらう。オリンピック競技復帰となったら、そのときこそアマへ返そう」

この記事をシェアする