アゼルバイジャンのアリエフと対戦する乙黒拓斗=7日、幕張メッセ(撮影・納冨康)

東京五輪第16日・レスリング(7日、幕張メッセAホール)女子50キロ級の須崎は本当に強かった。最軽量級は、日本人が得意とする動きの中でのレスリング。今大会の日本選手であんなに圧勝した選手はいなかった。

須崎は力比べをしてはいけないタイプで、技の技術や柔軟性、リズムが抜群。タックル自体もそうだが、組み手も非常に強い。須崎の弱点をライバルが研究し、予選では力技で攻められて慎重になっていたが、決勝の中国選手は力のある選手ではなかった。それを見極め、的確なタイミングで技を出していた。スピード感が素晴らしかった。

男子フリースタイル65キロ級の乙黒拓も、大したものだ。世界中から研究されて勝てなくなったこともあったが、受けに回らず、攻め続けた。チャンピオンらしいレスリングをし始めた。

日本の選手は観客がいなくても、実力通りの力が発揮された。よくやった、頑張ったと伝えたい。(男子フリースタイル90キロ級ロサンゼルス、ソウル両五輪銀メダリスト)

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