侍の4番を務める鈴木誠也

東京五輪を戦っている野球日本代表「侍ジャパン」が7月19─23日に宮城・仙台市の楽天生命パークで強化合宿を実施した際、球場正面入口のブースで鈴木誠也外野手(26)=広島=のバット、グラブ、打撃手袋が展示された。

「道具に妥協が一切ないですね。細かく要望をいただいている。ここまで道具にこだわる選手は珍しいと思います。同社を選んでいただき感謝しています」

そう語るのはスポーツメーカー「アシックス」(本社・神戸市)のコアパフォーマンススポーツ事業部の河本勇真さん。同社は鈴木誠が二松学舎高時代からサポートを始め、2017年にアドバイザリースタッフ契約を結んだ。キャンプに担当者を派遣するなどサポートを続けている。

同社によると、鈴木誠のバットは長めの86・5センチで重さは890グラムと軽い。内角球を打つ際にバットが折れにくくなるようにグリップは太く、先端を深めにくり抜いて重心を手元に近づけることで「振り抜きやすさ」を追い求めたという。河本さんは「このバットは長くてバランスが独特なので扱うのが難しいですよ。本塁打や安打を打てるのは鈴木選手だからです」と解説する。

鈴木誠のバットへのこだわりは有名で、同社の愛知・豊川市のバット工場の職人がたまたま普段とは違う機械でバットを削って納品した際、「いつもと違いますね」とすぐに指摘した。その夜には担当者に「グリップが…」と改良点を伝えるなど、道具へのあくなき探求心がプレーを支えている。

五輪では1次リーグの2試合に「4番・右翼」でフル出場。まだ8打数無安打だが、4度のゴールデングラブ賞に輝いた右翼守備では安打性の当たりに追いつくなどノックアウトステージ1位進出に貢献した。

「とにかく(チームが)勝てれば何でもいい。優勝して稲葉監督の喜ぶ顔が見たい」と語る鈴木誠。こだわりぬいた〝相棒〟とともに金メダルをつかむ。(柏村翔)

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