開会式冒頭で打ち上がった花火。会場の外では写真を撮る人々の姿も見受けられた=23日夜、東京都渋谷区(撮影・鴨川一也)

23日午後8時から国立競技場で行われた東京五輪の開会式は、過去の華やかな祭典とは一線を画すものとなった。新型コロナウイルスの犠牲者への哀悼パフォーマンスが盛り込まれ、出席者が黙とう。前日22日に演出統括役が解任されるなど直前までトラブルが続いたが、ゲーム音楽や漫画文化などで和の要素も世界にアピール。静かに厳かに、〝新しい様式〟の五輪が幕を開けた。

世界が苦しむコロナ禍の中、初めて開かれる五輪。開会式の会場に、観客の姿はない。1964年以来、57年ぶり2度目の東京大会。史上初の延期を経て、1年越しに幕を開けた。

五輪開会式のコンセプトは、「感動でつなぐ力」を意味する「United by Emotion(ユナイテッド・バイ・エモーション)」。式典は、コロナの犠牲者への哀悼も込められていた。

フィールドに設置された木製の舞台。ダンサーとしても活躍する俳優の森山未來(36)が白の衣装で、神秘的な音楽が流れる中、約2分間のダンスパフォーマンスを披露。その後、静寂の時間が設けられた。

厳粛な雰囲気で、1年延期によるコスト縮減での「簡素化」を意識。それでも、選手入場時は「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」など人気ゲーム音楽が流れ、国・地域名が記されたプラカードは漫画の吹き出しがモチーフとなり、日本が世界に誇る文化をアピールした。

歌手のMISIA(43)が高らかに国歌を歌い上げた。終盤には歌舞伎俳優の市川海老蔵(43)が、ピアニストの上原ひろみ(42)の演奏とコラボしながら家の芸である「歌舞伎十八番」の「暫」の一部を上演。豪快に見得を切った。

開会式の出席者は大幅に削減され、大会組織委員会は選手団が約6000人、関係者約900人と発表した。

開会式を巡っては前日22日に演出統括役の演出家、小林賢太郎氏(48)がお笑い芸人時代のコントが問題視されて解任。ギリギリまで演出の見直しが検討される事態となったが、制作チームの日本を代表するクリエーターたちが英知を結集。相次いだ不祥事も乗り越えて、開幕した東京大会。17日間の熱戦が繰り広げられる。

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