天理先発の達孝太=佐藤薬品スタジアム(撮影・門井聡) 第103回全国高校野球選手権大会奈良大会(24日、天理5―0法隆寺国際、佐藤薬品)準々決勝が行われ、天理が4強進出。プロ注目右腕・達孝太投手(3年)が3安打13奪三振で完封し、勝利に貢献した。
「(直球は)スピードというよりも回転数を意識して空振りもたくさん取れたので、その部分はよかった」
力ある直球が捕手のミットを鳴らす。三回2死から初めて浴びた安打をを含めて連打を許したが、最速144キロの直球で押して中飛に打ち取ると、勢いに乗った。フォークではストライクゾーンからボールゾーンへ投じて空振り三振を取れば、ストライクゾーンに投じて見逃し三振も奪う。選抜で左脇腹、5月初旬には右肘も痛めており、再発防止の観点からも選抜以降の最長投球回は春の県大会準決勝・畝傍戦での7回。この試合も5回が目安だったが、中盤以降は達自身も続投に意欲を示し、四回以降はわずか1安打で、最後まで三塁を踏ませず。
毎回の13奪三振ながらわずか84球で9回を完封し、涼しい表情で整列へと加わった。
ネット裏では阪神、ロッテ、ロイヤルズなど日米9球団が視察。巨人・榑松アマスカウト統括は「スケール感やフォームのバランスは(同世代の)ほかの投手にはないものがあり、魅力的。選抜のころに近い状態になっているし、これだけ投げられれば十分」と評価し、ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクも「原点(外角低め)にも右打者の内角にも投げられている。点を取ってもらったあとを抑えられていますし、勝てる投手、エースとしての素質を感じる」とうなずいた。
天理先発の達孝太=佐藤薬品スタジアム(撮影・門井聡)今夏初登板だった3回戦・大和広陵戦後は4回6安打3失点の結果を自己評価で「0点」と厳しく振り返り、中4日でテークバックや左足の着地のタイミングなど、投球フォームを再確認。修整力を示す今回の結果には「60~70点」と点数も上昇させた。だが「初球でボールが浮いたこと、2連続で打たれたことも反省している。無駄な四球もあった」とまだまだ満足はしていない。チームをさらに上へと導く中で、成長を重ねていく。
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