ゴールを決めた久保は歓喜の雄叫び。駆けつけたチームメートに祝福された(撮影・松永渉平)

東京五輪・サッカー 男子1次リーグA組 日本-南アフリカ(22日、味の素スタジアム)新型コロナウイルスの影響で史上初の延期となった東京五輪は23日午後8時から国立競技場で観客を入れずに開会式を行い、開幕する。22日は原則24歳以下で争われるサッカー男子の1次リーグが始まり、7大会連続11度目の出場となる日本はA組初戦で南アフリカを1―0で下した。後半26分にMF久保建英(20)=レアル・マドリード=がゴールを決めた。エースの号砲を合図に、日本選手団の快進撃が始まる。

日本を勝利に導いたMF久保。3~6歳まで過ごした川崎市麻生区の風の谷幼稚園の天野優子園長(74)は「芯が強い子。意志の強さと耐える力を持っていた」と振り返る。恒例のジャガイモ掘りでは11・4キロのイモを詰めたリュックを背負い、畑から園までの坂道を40分歩いて周囲を驚かせた。父の建史さんと毎日サッカーの朝練をしてから登園。父に肩車されて通学する光景は「ほほえましかった」と目を細めた。

久保が小学1~2年まで在籍した川崎市のサッカークラブ、FCパーシモンの三浦大輔監督(43)は「恐ろしいほどのサッカー脳を持っていた」と、小学1年の久保の質問に驚かされたことがある。「相手の背後をいつ取ればいいのか」「どんなときに前線でくさびになり、味方をサポートしたらいいのか。ポストプレーをしたいけど、どう動いたらいいか」。

4年生と一緒に試合をしても、全くひけをとらなかった。「どうしてそんなにドリブルがうまいの」と三浦氏が聞くと、「独りよがりではなく、相手を見て重心がどっちにかかっているかを確認し、逆の方向に動くんです」と回答したという。「こっちがサッカーを勉強しないといけないと感じた」と懐かしんだ。

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