国立競技場近くの五輪マークのモニュメント

あと2日で東京2020大会の幕があく。いや、本日、開会式に先立ってソフトボールとサッカー女子から競技が始まる。

史上初の開催延期決定から1年4カ月。新型コロナウイルスの変異株拡散により、なお感染の再拡大が続く。東京に緊急事態宣言が発出され、無観客で迎える「異形」のオリンピックである。

「異形」と書いたのは緊急事態宣言下、無観客の開催だからではない。この期に及んでなお起きた事態の異様さにある。

「バブル」という感染防止策の綻(ほころ)び、関係者の行動規範プレーブックの見直しなどは驚かない。きちんと対策を強化し直せばよい。だが、開会式の楽曲担当者の辞任は想定外。過去のことながら障害のある人をいじめ、自慢気に語っていた人が開会式の楽曲担当にふさわしいはずはない。使用を止めたのは当然である。

それにしてもなぜ、組織委員会は彼をかばったのか。開催直前だからという理由なら、これまでの不手際に何も学んでこなかった証明である。

最高位スポンサーのトヨタ自動車がオリンピック関連のCM放映を中止すると発表した。開幕直前、これも異例である。

『オリンピック憲章』は、国家元首が読み上げる開会宣言の文言をこう定めている。

「第32回近代オリピアードを祝い、東京オリンピック競技大会の開会を宣言します」

選手には祝うであってほしい。しかし、世界はコロナと戦う最中にある。人々の思いも千々に乱れている。国際オリンピック委員会(IOC)には、世情を踏まえた対応を望みたい。

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