麻生太郎財務相

■7月17日 開幕まで1週間を切った東京五輪を前に、昨年3月の麻生太郎財務相の発言を思い出した。「呪われたオリンピック」。参院財政金融委員会で発したもので、「40年ごとに問題が起きた」と自説を披露した。

1940年冬の札幌五輪と同年夏の東京五輪を日中戦争のために返上。80年のモスクワ五輪では西側諸国が旧ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議しボイコットした。その40年後が2020年。コロナ禍の東京五輪も呪われている、というわけ。

札幌五輪返上は寡聞にして知らなかったので勉強になった。同時に「東京2020大会」の「呪われた側面」を振り返る機会にもなった。まずは15年の「呪われた新国立競技場」。ザハ・ハディド氏のデザインが採用されたが、多大な工費がかかることに批判が高まり白紙撤回を余儀なくされた。同年は「呪われたエンブレム」もあった。最初に採用された佐野研二郎氏のデザイン盗用疑惑で白紙撤回となった。マラソンコースが北海道に変更されもした。

揚げ句の果てに、新型コロナのパンデミックのせいで延期が決定。その後も東京オリンピック委員会の森喜朗会長が性差別発言で、開会式と閉会式のクリエーティブディレクターを務めた佐々木宏氏が女性タレントを卑下するような発言で、ともに辞任するなどゴタゴタは続いた。麻生財務相の自説通りの展開だ。

とはいえ、1年の延期でなんとか開催まで漕ぎつけそうなので、負の回顧は終わり。始まったら「呪われた五輪」のことなどすっかり忘れ、アスリートたちをテレビで応援したい。世界中から約5万人が集結することにより、日本由来の新たなコロナの変異株が生まれないことを切に願いつつ。(鈴木学)

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