ロサノ監督(右)の右腕としてメキシコ代表を支える西村コーチ。日本攻略と金メダル獲得に自信をみせた(Cortesía FMF/Imago7提供)

原則24歳以下で争われる東京五輪サッカー男子で日本代表と1次リーグ第2戦(25日、埼玉スタジアム)で対戦するメキシコ代表は来日から一夜明けた10日、広島市内で合宿を開始。相手チームの分析などを担当する日本人コーチの西村亮太氏(36)がこのほど本紙のオンライン取材に応じ、MF久保建英(20)=レアル・マドリード=ら日本の攻撃陣への対策と、金メダル獲得に意欲を示した。【取材・西野愛鈴、構成・一色伸裕】

日本にとっては、やっかいな存在だ。東京五輪1次リーグで最大の敵となるメキシコ代表に日本人コーチがいる。〝刺客〟として母国凱旋を果たした西村コーチが言葉に力を込めた。

「母国での五輪に、メキシコ代表の一員として参加できる。すごい巡り合わせ」

プロ経験のない西村氏は筑波大大学院で指導法を学び、2010年に交換留学でメキシコへ。五輪チームを率いる元メキシコ代表MFのロサノ監督は指導者学校で同期だった。監督就任が決まるとすぐに「一緒にやってくれ」とオファーが届いたという。

計測器をつけ合う(左から)堂安、板倉、久保。1次合宿を終え、いよいよ本番モードに突入する(撮影・蔵賢斗)

指揮官の右腕として、相手チームの分析や練習メニュー作成を担当。運命のいたずらで日本との対戦が決まったが「複雑な気持ち? ないですね。勝つために行くので」。日本の分析は4月の組み合わせ抽選直後から開始。「攻撃にタレントが多い。創造性にあふれ、一人で局面を打開できる。彼らの連動性が武器になる」。具体名は伏せたが、攻撃にアクセントを加える久保、堂安らの連係をいかに分断するかに注力している。

「最強の布陣で金メダルを取りに行く」との言葉通り、25歳以上のオーバーエージ枠ではW杯でブラジル、ドイツを完封した実績を持つGKオチョアらが名を連ねた。昨年11月にA代表同士が戦った親善試合で、メキシコは日本に2-0で完勝。そのときの出場メンバーが8人もそろう。

同じA組のフランスはメンバー編成に苦心している状況だが、メキシコは2012年ロンドン五輪以来の金メダルへ本気度が違う。「日本とメキシコが1次リーグを突破して、準決勝でもう1回(対戦する)。それは思い描いている」。言葉の端々に自信がみなぎった。

西村 亮太(にしむら・りょうた)

 1985(昭和60)年4月29日生まれ、36歳。大阪府出身。天理大まで選手としてプレーし、筑波大大学院で指導法を学ぶ。2010年に交換留学でメキシコへ。クルスアスル、サントス、タンピコ、ケレタロのコーチを歴任し、18年12月に東京五輪を目指す年代別メキシコ代表コーチに就任した。

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