オンラインで取材に応じた桃田賢斗(日本バドミントン協会提供)

バドミントンの東京五輪日本代表が8日、オンラインで取材に応じた。男子シングルス世界ランキング1位で金メダル候補の桃田賢斗(26)=NTT東日本=は、2016年の違法賭博問題、昨年の交通事故、五輪延期、今年の新型コロナウイルス感染と、苦しい経験を乗り越えて迎える初の舞台を「やっと出られる」と心待ち。髪の毛の色を明るくした〝金メダルヘア〟も披露するなど五輪王者への強い思いをにじませた。

表情も髪の毛も明るかった。東京都内で合宿中の桃田は髪の毛の色を明るくした〝金メダルヘア〟で取材に応じ、時折、笑みを浮かべながら何度も「感謝」という言葉を口にした。夢の舞台は目前。高まる気持ちを胸に秘めながら、改めて頂点に立つ自信を見せた。

「金メダルも意識しながら、自分の気分も明るくするためにイメージチェンジした。あの時(2016年)のメンタル面では『五輪で金メダルを狙いにいきます』とはいえなかったと思う。今は自分の中で覚悟を決めてはっきりといえる」

ようやく夢の舞台に立つ。2016年リオデジャネイロ五輪を違法賭博問題で棒に振った。17年5月に復帰後は「支えてくれた皆さんに、感謝の気持ちを持って恩返しをしたい」という思いで試合を重ね、282位まで下がっていた世界ランキングは18年9月に1位にまで上りつめた。

順調だった復帰の道のりは昨年1月に暗転。国際大会に出場したマレーシアで交通事故に巻き込まれて大けがを負った。その後、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で五輪は1年延期となった。「中止になるんじゃないかというニュースを見たときに、自分は五輪に出られないんじゃないかと思った」。今年に入ってからは自身が新型コロナウイルスに感染。苦しい経験を乗り越え、一回りも二回りも成長した。

「やっと出られるなという気持ちはもちろんある。前大会に出られなかった分、本当にサポートしていただいたので、そういう方々に恩返しする気持ちを持ってプレーしたい」。ようやく迎える夏の祭典。日本の男子エースが満を持してコートに立つ。(角かずみ)

★東京五輪のバドミントン 開会式翌日の24日から武蔵野の森総合スポーツプラザで予選ラウンドがスタート。8月2日に男子シングルス決勝が行われる。桃田のライバルは、今年3月の全英オープンでストレート負けしたリー・ジージャ(マレーシア)や、世界ランキング3位のアンダース・アントンセン(デンマーク)ら。

桃田 賢斗(ももた・けんと)

 1994(平成6)年9月1日生まれ、26歳。香川・三野町(現三豊市)出身。福島・富岡中、富岡高卒。NTT東日本所属。2016年リオデジャネイロ五輪は違法賭博問題による出場停止処分の影響で出場を逃す。18年1月に日本代表に復帰。同年の世界選手権で日本男子初の優勝を飾り、翌年も2連覇。175センチ、72キロ。


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