サンケイスポーツのオンライン取材に応じる須崎


30日に22歳の誕生日を迎えた東京五輪レスリング女子50キロ級代表の須崎優衣(早大)が本紙のオンライン取材に応じ、金メダル獲得の誓いを立てた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、外部との接触を遮断する「バブル方式」が採用される今大会。4月のアジア予選で同方式を体験済みの女子のエースは、自信を持って頂点に挑む。(取材構成・石井文敏)

■4月のアジア予選で経験済み

コロナ禍で1年延期となった東京五輪。この日22歳となった須崎は4週間を切った夢舞台へ気持ちを高めた。

「本当にワクワクして、楽しみ。最高の状態で最高のレスリングをして、金メダルを獲得している姿を想像している」

4月上旬、カザフスタンで行われた五輪アジア予選。須崎は高速タックルがさえ、4試合全てテクニカルフォールで優勝し、女子6階級で唯一決まっていなかった50キロ級代表に決定した。ライバルの入江ゆきが2019年世界選手権で五輪内定を逃したことで、再び巡ってきた五輪初出場のチャンスをつかみ取った。

17、18年世界選手権を連覇した須崎にとっては思わぬ苦戦を強いられた形だが、この回り道がプラスに働くことになる。外部と接触するのを遮断する「バブル方式」をアジア予選で経験できたのは、同じ方式を採用する東京五輪に向けて収穫だった。「いろいろ予測できないことが起きたけど、臨機応変に対応する必要性、重要性を感じた」。五輪では毎日の抗原検査など厳しい検査と行動制限も課せられる予定で、カザフスタンでの経験が生きる。

須崎優衣

■「早めの減量」「不動心」

❶早めの減量 試合では3~4キロの減量を伴う須崎。カザフスタンでの行動制限を見据え、事前に日本で「ほとんど(体重を)落とした状態」で現地入り。予想通り、宿泊先と試合会場の往来のみで思うように汗はかけず、早めの減量が功を奏して高いパフォーマンスを発揮した。

❷不動心 従来の練習パートナーが濃厚接触者と認定されたため同行できず、現地では急きょ吉村祥子コーチ(52)と日本女子の笹山秀雄監督(55)の胸を借りて調整。須崎は不測の事態にも動じず「1試合目から自分のレスリングはできていた」。コロナ禍のもとで磨いた股裂きも披露するなど、逆境をプラスに転じる発想で自分を磨いてきた。

「試合ができるのは幸せだと思ったし、試合は楽しいと思った。練習してきたことが間違いではなかったと証明できた。ここまできたからには金メダルを獲得し、自分の目標を絶対に達成する」

7月23日に行われる開会式の入場行進で、日の丸を掲げて選手団を先導する旗手の候補にも挙がる。外国勢に初対戦の14年から無敗を続ける金メダル候補が、22歳の誕生日の誓いを成し遂げる。

須崎 優衣(すさき・ゆい)

 1999(平成11)年6月30日生まれ、22歳。千葉・松戸市出身。六実(むつみ)第三小の1年時に松戸ジュニアレスリングクラブで競技を始める。六実中(東京・稲付中に転入)、東京・安部学院高をへて現在、早大スポーツ科学部4年。2014―16年に世界カデット3連覇。18、19年世界ジュニア2連覇。17、18年世界選手権2連覇。全日本選抜は4度、全日本選手権は2度優勝。東京五輪代表。153センチ。


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