通算250本塁打を達成した坂本は、感慨深げな表情を浮かべた(撮影・桐原正道) 巨人は19日、阪神11回戦(甲子園)に6―2で快勝して連敗を2で止め、2位タイに再浮上した。東京五輪の日本代表に選出された坂本勇人内野手(32)が六回、左翼席へ8号ソロを放ち、通算250本塁打を達成した。2007年に小腸がんで亡くなった母・輝美さん(享年47)の命日に、右手親指骨折から復帰後初本塁打をささげた。
母との思い出が詰まった甲子園の空へ、高く打ち上げた。坂本が左翼席へ運んだ8号ソロは通算250本目のアーチ。記念ボードを掲げた背番号6に、敵地の阪神ファンからも拍手が送られた。
「250本打てると思いませんでした。節目のホームランはタイガース戦がすごく多いし、おかんも喜んでくれているんじゃないですか」
1点リードの六回2死。左腕、伊藤将の初球を捉えた。右手母指(親指)末節骨の骨折で1カ月間の離脱を経て11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で復帰後、初アーチ。東京五輪の日本代表でもリーダーとして期待される巨人の主将が、完全復活をアピールした。
6回、通算250号となるソロ本塁打を放った坂本勇人=甲子園球場(撮影・中島信生)昨年11月に右打者史上最年少で通算2000安打に到達したが、1826試合での250本塁打達成は歴代4位のスロー記録。1号、100号、200号に続き、250号も宿敵の阪神戦で決めた。
この日はプロ1年目の2007年に小腸がんのため47歳で亡くなった母・輝美さんの命日だった。坂本が「小学生の頃から一番応援してくれた」と語る母は明るく、活発な性格で、米国へ単身赴任していた父の分まで育ててくれた最愛の人だ。小学生時代に兵庫・伊丹市の自宅から母に連れられ、兄弟で何度も観戦に訪れた甲子園。母の記憶が残る舞台で、メモリアルアーチをかけた。
試合は坂本の駄目押し弾を含む3発6得点で快勝し、ヤクルトと並んで2位に再浮上。原監督は「1点とはいえ先制、中押し、駄目押しといういい形で点は取れた」とご満悦だった。特別な意味を持つ一発が、主将とチームを勢いづける。(谷川直之)
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