6日開幕の棋聖戦でタイトル初防衛に挑む藤井聡太二冠(写真は昨年の棋聖戦第3局) 将棋の「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)が6日に開幕する。タイトル初防衛に臨む藤井聡太棋聖(18)=王位=は、前棋聖で挑戦者、渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=と対局する。気合十分で大一番に挑む両雄を、ベテラン強豪棋士の飯島栄治八段(41)が分析。3勝2敗で渡辺三冠が棋聖位を奪還すると予想した。
■3勝2敗決着
ボクシングと同じく、将棋はタイトルを取るより守る方が難しい。タイトルホルダーは棋戦でシード扱いとなり、対局数が減って勢いをつけづらくなるからだ。
今期の棋聖戦で初防衛を目指す藤井棋聖も複数の棋戦でシードされた。予選出場が免除され、3、4月の対局数は2カ月連続でわずか「2」。
その影響は5月6日の王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦で出た。深浦康市九段(49)に対し、中盤で攻撃の機会を見落とし逆転負け。公式戦連勝は「19」で止まった。順位戦B級1組では同13日、三浦弘行九段(47)に苦戦。今月3日には稲葉陽八段(32)に敗れた。
棋聖位へ初挑戦した昨年6月は、3日に1局ペースの過密日程。それを勢いに変えて初戴冠し王位も奪取。そんな藤井棋聖でも対局数が減った状況で苦戦し、勝負勘にもほころびが出た。この不安材料を渡辺三冠は見逃していないだろう。
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