歌手、五木ひろし(73)の次男で国際的に活躍する画家、松山和真(かずさ)さん(28)が、歌手のCDジャケットに初挑戦したことが31日、分かった。2月に発売された注目度抜群のシンガー・ソングライター、遥海(はるみ、24)のミニアルバムで、色彩豊かな人物画を提供。これまで公にしてこなかったが、本紙の取材に「初めての経験でしたが、心から光栄に思っています」と明かした。
■注目の歌手 遥海のミニアルバムで
日本の歌謡界を代表する五木の次男が、新たな分野で豊かな画才を開花させた。
英国の芸術大学を卒業した和真さんは2017年12月、東京都内で個展を開きプロの画家としてデビュー。繊細なタッチで動物を写実的に描いて注目された後、英国や米国のギャラリーでも実績を積み、今年も東京、米国、韓国で個展を開く。
そんな和真さんとたまたま交流があったのが、遥海の所属レコード会社のスタッフ。何人ものCDジャケット候補の中から遥海の感性に合うと判断し、和真さんも快諾。昨年から遥海の新曲を聴いて写真からもイメージを膨らませ、彼女をモデルにアクリル絵の具による抽象画を完成させた。
それが印刷されて、新曲「FLY」が入ったニューアルバム「INSPIRED EP(インスパイアード・イーピー)」(2月17日発売)のCDジャケットに。「FLY」の♪痛みを知るあなたが どんなに美しいかを…という歌詞と伸びやかで力強い歌声にピタリとハマった。
■いずれは父のジャケットも⁉
和真さんはCDの主役はあくまで歌手として自らが前面に出るのを避けてきたが、本紙の取材に「こうした形で絵画を提供する機会をいただき、とても光栄です」と感謝の弁。「遥海さんの歌声の素晴らしいパワーと繊細さがジャケットを見ただけで伝わるよう、肖像画の形にしました」とコメントした。
実は同様のオファーが他からも数件、舞い込んでおり、いずれは父のCDジャケットを担当する機会も訪れそう。一方、NHK「みんなのうた」の8、9月の新曲にも選ばれるほど注目の遥海も「私を明るい印象で描いていただき、うれしい。いつかお会いして、お礼を言いたい」と話している。
★父の夢をかなえた3人の子供たち
五木は妻、さち子さん(元女優の和由布子、62)との間に、和真さんのほか、外資系レコード会社勤務の長男、ファッション関係の仕事に従事する長女がいる。3人とも五木が果たせなかった留学と英語習得の夢をかなえている。五木は和真さんが遥海にジャケット絵画を提供したことについて、本紙の取材に「実は僕も当初、全然知らなかったんだよ」とうれしそうに打ち明けた。