大阪桐蔭・西谷浩一監督=皇子山球場(撮影・水島啓輔) 春季高校野球近畿大会決勝(30日、大阪桐蔭4×―2智弁学園、皇子山)大阪桐蔭が延長十回に及ぶ戦いをサヨナラで制し、3年ぶり6度目の優勝を果たした。「2番・遊撃」で出場した藤原夏暉内野手(3年)が右翼へサヨナラ2ランを放った。
「あんまり覚えていないですけど、とにかくホッとしました」
十回1死一塁だ。カウント2―2からの5球目、内寄りに投じられた直球を見事にはじき返した。打球は長い滞空時間を経てフェンスの向こう、芝生で弾んだ。感触はおぼろげでも、喜びは確か。勝負を決する着弾を見届けると、一塁ベースを周ったところで高々とガッツポーズを突き上げた。これが公式戦初アーチ、人生初のサヨナラ弾だった。
新チーム発足以降、智弁学園とは昨秋の近畿大会決勝(●3―7)、今春の選抜(●6―8)に続き3度目の対戦。「絶対に3度は負けられない」と前夜のミーティングで思いを一つにして立ち向かい、リベンジを現実のものにした。
西谷浩一監督(51)は「2回負けている相手でしたし、延長になるまでに決めないといけなかったですけど、いいように考えれば粘り強い試合ができましたので、いい勉強になりました」と振り返った。さらに「今日みたいな相手に勝たないと、甲子園では勝てませんので。背番号をつけた公式戦で2回負けているチームに勝てたということは意義があると思いますし、いよいよ夏が始まるな、という気持ち。引き締まった気持ちになりました」と3度目の正直を実感しながら先を見すえた。
殊勲の藤原も「この1試合でみんなに自信もついたと思う。でもまだまだミスも多いですし、現状では日本一になれない。『日本一』と全員で言い続けて、絶対に日本一を取りたい」と新たな決意。弾みをつけ、最後の夏に向かう。
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