7回途中3失点で今季初勝利を挙げたDeNA・浜口=マツダ DeNAは29日、広島6回戦(マツダ)に5-3で勝利した。先発した浜口遥大投手(26)が七回途中3失点と粘り、12球団の開幕投手で最も遅い今季初勝利を手にした。自身初の大役を任されながら重責に苦しみ、6度目の登板でようやくつかんだ1勝。チームも今季2度目の2連勝で、流れに乗る。
■今季6戦目でつかんだ
ベンチから祈るように見つめた。最後の打球が遊撃・倉本のグラブに納まると、ふっと息をつく。ようやく訪れた瞬間。浜口が今季6戦目で初勝利をつかんだ。
「チームとして勝てたのが一番うれしい。野手の方々と、つないでくれたリリーフの方々に感謝したいです」
■雨で試合開始1時間遅れ
雨で試合開始が1時間遅れたが「集中して準備できた」。一回に先制を許したが、二回以降はテンポよく投げ込み5三振を奪った。七回に3連打で2点を失い105球で降板となったが、無四球の粘投で相手に流れを与えなかった。
5年目の今季はオフから開幕投手を直訴し、大役に指名された。しかし、3月26日の巨人との開幕戦で3回6失点でKOされるなど大苦戦。4月2日の広島戦(横浜)では6回2失点で無念の降板となり、ベンチで目を赤くした。12球団の開幕投手で最後の1勝目だった。
■番長からの金言胸に
2019年、三浦監督が1軍投手コーチだった当時からかけられている言葉がある。『結局は一歩ずつ、積み重ねていくことしかできないから』。あれもこれも変えるのではない。芯となるものがあって、その上に地道に実力を積み重ねることが大事。25年の現役生活で172勝を挙げた番長の金言だった。
6勝5敗、自己ワーストの防御率4・60に終わった昨季、浜口はその教えを見失っていた。結果を求め、焦り、自らの感覚を失う悪循環。「やっぱり自分の芯となるのは、四隅を狙うのではなく相手に振らせる投球スタイル。迷わず腕を振ろうと決めた」。原点回帰。オフから全身を大きく使うフォームの習得に取り組み、持ち味の大胆さを取り戻した。
■「もっと取り返していきたい」
浜口には夢がある。「チームがどんなに苦しいときでも勝てる投手。三浦さんのような投手になりたいです」。借金14の最下位に低迷する現状は、投手陣の柱を目指す左腕の真価が問われるときでもある。「まだまだチームに貢献できていないので、もっと取り返していきたい」。指揮官への恩返しは、始まったばかりだ。(浜浦日向)
★追加点呼ぶ激走も見せた
浜口の執念はマウンドにとどまらなかった。五回先頭の第2打席に右前打で出塁すると、2死一、二塁となり、佐野の中前打で二塁から一気に生還。貴重な追加点を呼び込むと、その裏も3者凡退に抑えてチームを勢いづけた。キャンプ中から実戦を意識し、ブルペン投球のインターバルとしてベースランニングや縄跳びを続けてきた左腕は「いい準備ができていて良かった」と胸を張った。
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