4回、適時打を放つ阪神・中野=横浜スタジアム(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、DeNA2-3阪神、3回戦、DeNA3敗、11日、横浜)キャンプで初めて中野の打撃を見たときから「直すところがない」と言い続けてきた。ミートする形ができあがっている。その形を、試合の中で出しているから打てないはずがない。
■四回の適時打は意図して打てている
象徴的な場面は四回の適時打。おそらく変化球を待ちながら真っすぐに対応して左前へ運んだ。もし、変化球なら中堅から右方向へのヒットになっていただろう。ゴルフでインテンショナルスライスという言葉を使うが、まさにインテンショナルヒット。意図して打てている。得点圏に走者がいるとき、最も迎えたくないタイプの打者だ。
打撃フォームは異なるが、タイプは青木(ヤクルト)に似ている。使い続けたら打率3割はマークできるのではないか。変則左腕に対してはさすがに最初は苦労するかもしれないが、相手の左右に関わずスタメンでいい。守備も安定しているし、足は二遊間でスタメンに出ている3人(糸原、木浪、山本)よりも速い。使わない手はない。
チームは見事な開幕ダッシュ。最大の要因はもちろん先発投手陣だ。現状の先発陣を見ると、救援の勝ちパターンにこだわる必要はない。この日もガンケルから岩貞への交代は必要なかった。そのあたりの継投ミスをしなければ、好調は当分続くだろう。(本紙専属評論家)
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