芸能人が愛するペットを紹介する大型企画に、演歌歌手の藤あや子(59)が保護猫のマル(オス、1歳)、オレオ(メス、1歳)と登場。マルオレ(2匹の愛称)との日常をユーモラスにつづったSNSが注目を集め、昨年12月に初写真集「マルとオレオと藤あや子」を発売。自由かつシンプルに生きる2匹に「この子たちは私にとって師匠です」とほほえむベテランは、人生を変えた愛猫との豊かな生活を明かした。(取材構成・宮越大輔)
▼一目ぼれ…3日会わないと涙ぐむ
演歌の女王にしてマルオレの広報担当としても活躍中の藤が、愛猫への愛を語り尽くした。
「番組の収録が終わると着物姿のまま直帰します。今や芸能界一帰宅が早いですね」
美形で賢いハチワレ猫・オレオと、甘えん坊な黒猫・マルの姉弟を家族に迎えて約1年半。生活の変化を問われると親バカ全開で、「今まで歌に集中しているときはプライベートが頭をよぎることは一切なかったのですが、3日会っていなかったときに思わず涙ぐんでしまい、これはヤバイぞと…」と笑った。
2匹を飼うきっかけは、大阪で保護猫5匹の面倒を見ていた義母が、2019年6月に出産間近の野良猫を保護したことだった。生まれたばかりの子猫4匹の写真が送られてくると、瞬時にマルに一目ぼれ。幼少期は捨て猫を拾うなど「かわいそうなものに執着する性格」なだけに、「憂いのある表情に引き付けられました」と運命の出会いを振り返る。
20年前に愛猫を亡くしてからペットを飼うことをやめていたが、義母から飼育を促されたときに「『この子が家にいたらどんなに幸せだろう』と想像するだけで気持ちが豊かになった」と決断。2匹で飼うことも勧められ、生後1カ月のマルオレを引き取った。
家族が増えて藤の生活も一変。愛猫との生活をSNSに投稿するや、2匹の愛らしい姿と藤がつづるユーモラスな言葉が話題となり、ツイッターのフォロワー数は17万人を突破。これまで接点のなかった若者たちとつながり、「世界が広がりました」とほほえむ。
マルオレが保護猫からスター猫となり、昨年12月に初写真集が発売されると「シンデレラストーリーを歩んでいるようで、母親としてうれしい。日常生活をそのまま撮った写真ですが、心の癒やしの一つのアイテムになれば」と願う。
▼コロナ禍でも心の支え「私にとって師匠」
自身も2匹に支えられてきた。コロナ禍による自粛期間中は仕事のキャンセルが続き頭を悩ませたが、「この子たちがいることによって気持ちが和らいだ」と述懐。
「世の中がバタバタしていても、食べたいときに食べて寝たいときに寝る。とても幸せそうで、その繰り返しでいいんだなと。シンプルに生きることが大切なんだなと教わりました」とマルオレを見つめ、「この子たちのように生きなきゃと。私にとって師匠です」と目を細める。
保護活動にも積極的に取り組む藤。自粛期間中にペットを飼う人が増えたが、結局飼いきれずに捨ててしまう人が多くなった現状に触れ、「命を預かった瞬間から責任を持って最後まで一緒に過ごしてほしい。地球上に住んでいる生き物は、支え合えながら生きていかないと、いつかバチが当たりますよと言いたい」と語気を強める。
「小さい命を救うことによって、私のように学ぶこともいっぱいあると思う。命のつながりを感じながら丁寧に生きていくことで、私は1曲歌うことにもすごく大事に思えたり、ブレない自分ができました」
▼帰ると顔認証…強烈ニャルソック
マルオレとの出会いから目標もでき、「コロナが収束したら、猫好きが集まる『猫フェス』をやりたい」とにっこり。ただ、その前に2匹にお願いがあるといい…。
「毎回玄関に駆けつけてくるのを期待しながら帰るのですが、必ず階段の奥の方からのぞいて顔認証されるんです。ニャルソックのセキュリティーレベルを落としてほしい」と困った笑顔。
藤家の安全はマルオレが守っている。
◆夫婦仲も深まった
ツイッターにつづるユーモアあふれる表現が人気の藤。「年下の夫に『このワードはどうかな?』と確認することもありますね」とにっこり。マルオレを家族に迎えて夫婦仲が深まったといい、「オレオちゃんは夫、マル君は私にべったりなので、お互い優越感に浸っています。相性のいい家族でよかったです」と幸せいっぱいだった。
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