ラグビー大学選手権準決勝(11日、天理大55-28早大、国立)早大NO・8丸尾崇真主将(4年)の思いは、かなわなかった。2連覇を目指し、関西王者の天理大に立ち向かったが、相手CTB市川敬太(4年)に4トライを許すなど計8トライを奪われ、28-55の完敗。丸尾にとって、これが第一線で最後の試合となった。本紙評論でおなじみ元日本代表WTB吉田義人氏(51)は天理大の密集戦、ディフェンスでの圧力を勝因に挙げた。
ノーサイドの直後、悔し涙にくれる早大FB河瀬諒介(3年)の肩を抱き寄せた丸尾は、「顔を上げろ」と諭した。身上の防御を破られて天理大に8トライを許す完敗にも、主将は毅然(きぜん)とした態度を崩さなかった。
「密集戦で相手の強い圧力を受けた。接点の強さは想像以上。準備の部分で足りなかった」
黒いジャージーのすさまじいプレッシャーに、丸尾も脱帽するしかなかった。
早大の今年のチームスローガンは「バトル(戦闘)」。9日の練習ではスクラムで戦う姿勢が見られず、Bチームに圧倒された。その夜、FW陣は腹を割って意見を出し合った。闘争心を取り戻したが、天理大の戦闘力の高さに屈した。
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